二重人格者の兄と義姉妹
ブドー
第1話 新しい家族
「真司、父さん再婚しても良いか?」
と突然父が言った。
「別にいいけど、よくそんな出会い合ったな」
「まぁな」
父は嬉しそうに話してくる。出会いから再婚までの経緯を1から話してくる。
「だから俺はそういうところに惹かれたのかなと思ったわけだ」
「あぁそうですか。俺は明日部活の助っ人として学園に行くから再婚相手によろしく言っといて」
「おう」
「じゃおやすみ」
そういうと真司は2階の自室に戻って眠りについた。
朝
「よし準備完了じゃ行ってくるわ」
と言い真司は渡された試合着を着て、リュックを背負って学園に向かった。
学園に到着すると体育館前に友達が待っていた。
「遅いぞ真司」
「悪い悪い信号2つに引っかかったから遅れた」
「まぁ試合までに間に合ったから良し、後30分ぐらいで相手校が来るからそれまでにアップ済ましとけよ」
「はいはい」
友の名前は岩山裕二(いわやまゆうじ)
所属部活はバスケ部
そう今回の助っ人はバスケだ。
「裕二今回の俺の役割はパス回しで良いんだよな?」
「あぁスポーツ万能の方のお前が出てきたら練習にならねぇからな」
「よしできるだけでしゃばらないようにする」
「あぁ頼むよ。ほら相手が来たぞ」
「裕二お前、相手校って言ったから他校の人達が来るのかなと思っていたが中等部のバスケ部じゃねぇか」
「まぁ大会も近いからどこも相手してくんねぇらしい」
「でも俺の役割は変わらねぇよな」
「勿論」
「5分後に試合開始するから全員準備しとけ」
と体育館に顧問の声が響いた。
「よし行くぞ真司」
「おう」
試合開始のブザーが鳴り響いた。
(じゃ、後よろしく)
「おう」
すると真司雰囲気が変わった。
「真司!」
と裕二が真司にボールをパスした。
「おう!」
真司はゆっくりとボールをつきながら前に歩いて行った。
「裕二!遅いぞ」
「うるせぇ!」
と裕二はマークを振り切りリング下に入った。
「あらよっと、おい裕二ミスんなよ」
真司は目の前にいる相手をフェイントで回避しリング下にいる裕二に勢いよくボールを投げつけた。
「クソっ相変わらず無茶なパスだぜこんちくしょー」
ボールを受け取った裕二は文句を言いながら点を取った。
「文句言うなよ」
「じゃあもうちょっと優しいパスよこせ」
「それは無理だ」
と楽しげに会話する真司と裕二
「相変わらずあの二人のコンビはすごいなぁ」
「さすが真司と裕二だな。俺達先輩も負けてられないな」
「おう!」
その後の前半は先輩達が活躍し
52対37でリードした状態で終了した。
休憩中
「相変わらず向こうのマネージャーの雪菜ちゃん可愛いなぁ」
「なんだ裕二お前知り合いなのか?」
「いや名前知ってるだけ」
「お前のタイプが知れたから助っ人に来て良かったよ」
「あぁそうかい」
「おう」
「じゃあ行くか」
「そういえば真司、顧問がシュート打って良いってよ」
「えぇー嫌だ」
「打て」
「はいはい」
後半開始
「ほらよ真司」
と裕二が真司にパスした。すると真司はセンターラインまで下がりシュート体制になった。
「やばっやらかした前半大人しかったから油断した」
と慌てる後輩達。
「よしいけ真司」
「任せろ」
そういうと真司はセンターラインからボールを放った。放たれたボールは綺麗な放物線を描きながらリングに入った。
「相変わらず真司先輩のシュートの姿勢とボール綺麗だな」
「それなあれで部活に所属してないってすごいよな。でも味方に真司先輩いるだけで頼もしいよな」
「でも負けられないよな!」
「勿論!」
真司がシュートを決めてから真司のマークが強くなり真司はほぼ何もできなかったがその分裕二や先輩方が動きやすくなった。
その結果前半よりも俺達の方が有利に立ち試合は勝利で終わった。
「疲れた~」
真司は一人で学園のグランド近くにある土手で寝転がっていた。
「お疲れさまでした」
と中等部バスケ部マネージャーの雪菜が話しかけてきた。
「あぁマネージャーさんお疲れ様。どうしたの体育館男臭くて逃げてきた?」
「いえいえ皆のスポーツドリンク作りに来ただけです」
「そう、頑張り屋だね」
「私はこういうことしかできないので」
「あまりそういうことは言わないほうが良いよ」
真司は立ち上がり雪菜の前に立つと雪菜の頭に手を乗せる。
「自分はこういうことしかできない、ではなく自分だからこそこういうことができる、ってもっと前向きに考えた方が良いよ」
「あの、そのはい以後気をつけます」
すると真司が突然震えだした。
「あのそろそろ…限…界」
それだけ言い残すと真司は気絶した。
「はっ!ここはどこだ?」
「ようやくお目覚めかいここは保健室だよ真司くん」
「なんだ裕二か」
「雪菜ちゃんから聞いたぞ、女子に触れたらしいななんで触れた?」
「なんか自信なさげだったからお前から教わった年下の励まし方をしただけだよ。後もう高校生だから慣れただろと思っていたが、やはり無理だった」
「ちなみに今の時刻は16時過ぎぐらいだな」
「結構気絶してたな」
「荷物はまとめてあるからさっさと帰るぞ」
それだけ言うと裕二はリュックを背負って保健室を出ようとする。
「ちょっ待てよ」
と急いでリュックを背負って裕二を追いかけた。
「ただいま」
玄関を見ると、見たことない靴があった。
「おう遅かったな」
とリビングから父が出てくる。
「もう飯できてるぞ」
それだけ言うと父はリビングに戻った。
「着替えてから行くからもうちょっと待ってくれ」
と真司は急いで自室に戻り着替えてからリビングへ向かった。
リビング
「初めまして、橋本真司と言います。これからよろしくお願いします」
と自己紹介をし、新しい家族の顔を見ると一人見たことがある人がいた。
「初めましてこれから家族になります。橋本佐智と申します」
「姉の橋本雪之です。よろしく」
「妹の橋本雪菜です。昼間はお世話になりました」
「なんだ真司、雪菜ちゃんともう会ってたのか」
「あ、あぁ今日の部活の助っ人のときにな」
「まぁ挨拶はここまで、まずは食事を取って親交を深めようじゃないか」
と父の仕切りの元、新しい家族初めての晩御飯を頂いた。
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