星の王子さま
人という字は「ノ」「ヽ」のふたりが支えあっている。
と金八先生が言っていた。
度を越して依頼心がやたら強い人がいると思ったら、人などお構いなしとばかりスーパーの通路の真ん中でボーとしている人もいる。
ウイルスの流行でソーシャルディスタンスが話題になったが、世界的にも人との距離感は難しい面がある。
その証拠に、昔、社員旅行中にラスベガスのホテルのエレベーターで、綺麗な金髪のお姉さんに「ハァーィ!」と高いテンションで挨拶されドギマギしていると変質者だと思われた。
近すぎても、離れすぎてもダメで、丁度良い距離感が大切だ。
星の王子さまとキツネのように。
今は、スマホでいつでもどこでも連絡できるから、味もそっけもない。
星の王子さまは、依頼心が強いツンデレのバラから逃げて地球に来たが、故郷の星のバラにスマホで「あの時はゴメンやで。すぐ帰るわ。」とか言っていたらショックだ。
しかし、今後、以前のような距離感ではなくなり、物理的には距離は遠くなるだろう。
遠い宇宙の果てに居ても、星の王子さまのような優しい思いやりを持ちたいものだ。
と物思いにふけっていると、おかずが床に落ちた。
食卓に座る目の前の妻がこちらを睨みつけている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます