今日の9割が明日の10割。

第1話

　ダメージは蓄積するもの。どんな方法をとったとしても全快するのは非常に難しい。

　完全なノックダウン。それは100あるものを100削り取るダメージを受けたわけではなく、それ以上に削り取るダメージを受けたことに他ならない。そうなった時のダメージはどこで受けるのか。それは100という上限値で受けるのだ。もう全快が100ではなくなる。こうして全快しているようで全快していない状態が続くようになる。

　いかにしてノックダウンされないか。それが防御を考える上での根本的な考え方になるだろう。

　受け流すのか。それともノックダウンされるまえにノックアウトしにいくのか。避けるのか。人によってその方法は様々だ。

　受け流せば受け流した先に待つ他人がダメージを受ける。そうして嫌われるかもしれない。そして自分も少しばかりのダメージを受ける。

　ノックアウトしに行けば反感を買うかもしれない。そして少しばかりのダメージを受ける。

　やはり避けるのが一番賢い方法じゃないだろうか。ダメージを受けない最大の防御。それが回避だ。

　それでは回避できないときはどうするのか。それはダメージ覚悟でノックアウトしに行き、こちらを回避するように仕向けるのが良いのではないだろうか。

　もしノックアウトできないほどに力量が違いすぎるならそれは逃げるべきだろう。どうにもならずただノックダウンされるのを待つぐらいなら相手からターゲットにされない場所まで逃げるのだ。

　自分は自分しかいないのだ。替えのきかないものを守る選択をしてほしい。そう思うのだ。