　俺はガチャガチャが下手だ。

　シリーズを揃えようとしても、最後のひとつが手に入らないのだ。どれだけやろうが結果は同じ。もはや運とかそういうレベルではない。

　その日も粘り虚しく台を離れた。と、ひとりの女性がその台に金を投入した。出て来たのは、俺の狙っていたものだった。

　心底がっかりした様子で、彼女は呟いた。

「またか」

　俺は思わず声を掛けた。

　聞けば、どれだけガチャガチャをしても同じトイしか出て来ないのだという。確認すると、どれも俺が手に入れられなかったものばかり。

　そして、二人は最高の相棒になった。

　しばらくして、「付き合おう」と言ったら断られた。

「ガチャガチャの相性だけではちょっと……」

　そんな正論が痛かった。

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