33、夫婦のカタチ (2/2:夫婦の日)
妻は夫の偽者を見破れるか――とあるテレビの企画だった。
ターゲットとなったのは結婚二十年の夫婦。外見からしぐさ、声、知識まで。変装は一分の隙もなく完璧に行われ、夫の友人たちですら時間を掛けても見分けがつかないほどになった。
そして決行日。
夫と入れ替わった偽者が妻の隣に座る。二言三言交わした後、彼女は唐突に言った。
「ところで、あんた誰だい?」
番組の最後、妻がインタビューに答えて言った。
「ほんとにそっくりだから見た目じゃ見分けなんてつかないよ」
「では、どうやって?」
「あの人が隣に座った時、胸がときめいたんだよ。少女みたいに」
からからと笑う。
「それで分かったのさ。あたしが旦那にときめくわけないんだから」
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