女子高生と黒ずんだアレ 〜本小説には、一部刺激の強いシーンがあります(R15)〜

大和田大和

第1話 潜入、赤ちゃん工場! 妊娠地獄の子作り放題(生○ックス注意!)




【プロローグ】


子をなすということは、自分のカケラを次世代に残すということだ。

難産に見舞われた母親は、こう願う「どんな子でもいい……どうか、どうか死なないで生まれてきて」と。


そして、出産は奇跡的にうまくいき子供が生まれた。母親は安堵し「生まれてきてくれてありがとう」と我が子にささやく。


母親の唯一の願いは完遂された。

十ヶ月にも及ぶ妊娠期間と、丸一日かかった出産は完璧に成功したのだ。


ところで昔の日本の新生児死亡率はご存知だろうか?


【明治三二年の新生児死亡率は七.八%。

対して、平成二三年のそれはたったの〇.一%。

死産する確率が、七〇分の一になったのだ。[厚生労働省の統計より]】


たとえ難産になったとしても、現在ではほとんど死産することはない。

だが確率論で言えば一千人に一人は死ぬ。


もしかしたら先程の子がその一人だったかもしれない。

死ぬ可能性自体は常にある。


もっと残酷な結果が訪れていても、おかしくなかったんだ。


母親は生まれたばかりの子を抱きしめて、奇跡に感謝した。

胸いっぱいに幸福感が溢れ、ぎゅっと詰まった愛を我が子に注ぎこんだ。


やがて月日は流れ、そんな奇跡のことなんて忘れてしまった。


母親はあろうことか、子供の粗探しをするようになる。

「もっとちゃんとしなさい」「早く結婚しなさい」「もっといい大学、会社に行きなさい」


もうとっくに奇跡は起きたはずなのに、次の奇跡を要求するようになる。


「生まれて来てくれさえすればどんな子でもいい」


そう言ったはずじゃないのか?

どんな子でも良かったんじゃなかったのか?


もっと出来のいい子が良かったのか? もっと頑張れば良かったのか? もっと努力すれば認めてくれたのか? 私じゃダメなのだろうか?


親は自分がかつて望んだ奇跡をすっかり忘れ、もう手に入れたはずの幸せを自ら捨てた。


そして、この国には『我が子に不満を抱える親』と、『親に恨みを抱える子供』で溢れかえった。


死産する可能性もあったのに、私は死んでたかもしれないのに、親はもうそんなこと忘れてしまった。


子が完璧でないように、親も完璧でない。だがそんな自分の欠点は棚に上げて、今日も子供の粗探しをする。



私たちは親の言いなりじゃない。

私たちは親の所有物でもない。

私たちは親の人生の続きでも、リセット先でもない。


私たちは、生まれてきた奇跡だ。


【プロローグ 了】



私が連れてこられたのは町外れの閑静な一角。目の前のコンクリートの建物は、女性を食う魔物のよう。

刺青のある男は、建物のドアを開けた。


「さ、入れや……」

ドアの奥には地下へと続く階段がある。真っ暗で濃淡な闇の中に繋がっているみたいだ。

私は男に押され、階段を降りていく。


(ここが『赤ちゃん工場』か……!)


階段がコツコツと乾いた音で沈黙を砕く。

叩き壊された静寂の破片が、嫌に耳に残っていく。


耳障りな沈黙が、音を立てて鼓膜を舐めているみたいだ。


そして私は最下層についた。



そこには警察官がいた。



一瞬助けに来てくれたのかと思ったが、違ったらしい。逃げ出そうとする警官は女子高生の私にしがみつき、

「助けてくれ! 助けてくれ! 助け……」


パシュっという鈍い音と共に警官の頭が撃ち抜かれ、大量の血液がコンクリートを染め上げた。


背後にいた別の男に始末されたのだ。すると私を連れてきた男が、

「おい! 女の前だぞ! 他所でやれっつったろ! 

全く……へへ……すまんな嬢ちゃん……大人しくいうこと聞けば、こういうふうにはならねえからよ……さ、子作り部屋はもっと奥だ。進め!」


私は警官の肉片と脳髄を跨ぎ、廊下の奥へと進む。

廊下には他にも三人の警官が死んでいた。


頭を割られ、バラバラにされ、首がもがれていた。


若い男が警官の頭部を抱え、人差し指で死体を笑顔にする。

別の男がその様子を、

「はいチーズ!」


どこかの観光地での記念撮影のように、パシャリと写真を撮った。

きっとネットにアップして見せしめにするのだろう。


またさらに廊下の奥に進むと、まだ生きている警官がいた。

その警官は、三十代半ば。まだ若く、この先の人生は長い。


だが、その警官も、

「まだ一才の娘がいるんだ! 頼む! 命だけは……」

パシュっ!


私の目の前でむごたらしく殺された。


血溜まりの中に、彼の家族写真がプカプカ浮かぶ。

奥さんと彼と娘さん。幸せそうな写真はやがて血の中に沈んでしまった。



そして、例の部屋に辿り着いた。

部屋には『子作り部屋』と書かれている。


「さ、ここが今日からお嬢ちゃんが住む部屋だ。入りな!」

ドンと背中を押され、地獄の中に押し込められた。


子作り部屋はかなりの奥ゆきがある。左右にそれぞれ八列のベッドが並び、計一六人までの女性を奴隷化できるようだ。

ベッドには、すでに女性たちがいた。


二十代ほどの妊娠適齢期の女性たちは、怯えた表情で震えている。

すぐ右手には、膝を抱えたやつれた女性。


左手には、どこかで誘拐されてきたのだろう白人女性。金髪には血がこびりついている。

妊娠している人もいれば、そうでない人もいる。


私の背後からは、刺青を入れた男が、新たに三人入ってきた。(きっと取り巻きか舎弟だろう)


舎弟の一人が、

「ひゅー! 女子高生とは……いいねぇ……!」


きっと今からこの男たち全員から……順番に……


「さ、嬢ちゃんの子作り用のベッドは一番奥だ。とっとと歩け!」


私とヤクザたちは子作り部屋の奥へと進む。

部屋の中ほどまで行くと、一人の女性がヤクザに掴みかかってきた。


「ねえ! お願い! あの子を返して! 私の赤ちゃんを返してっ!」

ヤクザに掴みかかると、涙を流しながらそう懇願した。


「なんでもする! なんでもいうことを聞くから! あの子を返して!」


ヤクザは、

「うるせぇっ! 赤ん坊はもう売っちまったよ!」

女性の頬を思い切り平手打ちした。乾いた炸裂音が部屋にこだます。


すると周囲の女性たちは、全員が縮こまり目を背けた。


きっと何度も同じようなことが日常的に起きているのだろう。

「へへ……心配しなくても、また俺が妊娠させてやるからよ……」


そして、私たちは再び部屋の奥へと歩いた。

最奥にたどり着くと、壁には目立つように日本刀が置いてある。

刃先には血がこびりついている。きっと抵抗する女を、この剣で脅したのだろう。


男は白いシーツがかかったベッドを指差し、私にこう言った。

「いいか? お嬢さんは今から俺にここで妊娠させられるんだ? 何をされるかわかるな?」


私はこくんと力なく頷いた。

「嬢ちゃんはベッドでの経験はあるのか?」

私は首を横にフルフルと振った。


「そっか女子高生だもんな。処女だろうな……へへ。安心してくれ、大人しくしてくれれば痛くしないから……よ?」


男は、ニヤケ面で私の体に視線を這わせた。太もも、胸の谷間、そして股間のあたりをジロジロと見られた。


彼は私をベッドに座らせると、

「今から俺と何するか言ってみな?」


そして、私はこう答えた。

「…………生で……セ○クスする……」

「そうだ! ちゃんとわかっているみたいで良かったよ……じゃあ早速なんだがいいかな?」


「うん……でもその前に、」

「なんだ? 心の準備がいるのか?」



「ううん。聞いておきたいことがあるの……」

「なんでも聞いてくれ?」


「ここ『赤ちゃん工場』なんでしょ? 女性を誘拐するなり脅すなりして、監禁して子供を作らせて、闇市で売る。合っている?」


「そうだ。赤ん坊は高く売れるんだよ」



[赤ちゃん工場とは?(実際にあった事件)]

【二〇二〇年三月。ナイジェリアで現地の警察が、医療施設から子供一人と妊婦六人を含む十三人を救出した。


この施設は、赤ちゃん工場と呼ばれる違法施設だ。

ベッドに女性を監禁し、男を雇い無理やり妊娠させる。


そして、赤ん坊を奴隷・性奴隷・臓器目的で販売するのだ。


(同様の事件が同国ポートハーコート、モウェ、そして米アリゾナ州、印マディヤ・プラディーシュ州など世界各地でも起きている)】


「さあ! 早速赤ちゃん作りといこうや!」

男は私の制服の襟を掴むと一番上のボタンを外した。


プチっ! という音がして胸元が少し開かれた。


「兄貴! 巨乳じゃねえか……兄貴が終わったら次、俺もいいですか?」

「慌てるなよ……順番こだ! おめえらはそこで見てろ!」


対面のベッドにいる茶髪女性は、私を見つめて、

「あなた? 抵抗しちゃダメよ? すぐ終わるからね……少しの間の我慢よ……」


きっと幾度となく男たちに弄ばれたのだろう。

顔面は蒼白、髪はぼろぼろ、服は着ていない。


隣のベッドにいる女性は、

「誰か……お願い助けて……」


対角のベッドにいる女性は、

「もう死にたい……もう死なせて……」


部屋中を死の匂いと絶望の空気が充満していた。

この腐った世界で、ここは最下層。

ゴミ溜めの中のゴミ溜め。


みんなが見て見ぬふりをする場所。

誰も助けてくれないし、誰も気にしてない。



ヤクザは舌なめずりをして、ベルトをカチャカチャと外した。

「この社会では正義が勝つんじゃないんだよ! 力のあるやつが勝つんだ! 容赦のない奴が勝つ世界なんだよ!」


顔には、楽しそうな表情を浮かべている。

「処女の女子高生なんて久しぶりだ! 気持ちよさそうだな! いただきますっ!」


そして、彼は私の体を欲望のまま、貪るように…………(第二話『生々しいナマ行為  〜歪んだ欲望を満たしまセんか?(生々しいので閲覧注意!)〜』へ続く)


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