出店準備⑦
俺は、この兄弟を採用しようとしていた。
面接は、百点の答えを出してくれた。
これ以上、良い答えはそうそうないだろう。
雇う可能性がある人を見つけた。
ここで、第二の問題だ。
本当にこの二人の眼が確かなのかは、分からない。
元貴族というのは言動から分かるが、こればかりは分からない。
一つ試してみることにした。
手招きして、リンを呼んだ。
不思議そうな顔をして、こちらに近づいて来た。
俺の顔に彼女は耳を近づけた来た。
これでこしょこしょ話の体制完了だ。
「悪いんだけど、適当にそこらへんで売ってある、安い宝石と魔具買ってきてくれない?」
「二人の眼を気にされてるんですね」
「よくわかったね」
「なんとなく、リーヴァ様が想像してることは、常になんとなく分かります」
そう言い終えて、ウィンクして出て行った。
前に向きな直ると二人が不思議そうな顔をしていたが、無視して話を続けることにした。
「二人は、事業内容を理解してる?」
「はい、何となくはですけど……………正直あんまり、よくわかってない部分もあります」
中古の物を買うというのはこの世界では普通ではないのだろう。
その点から考えるとそれが、あんまりよくわからない、と言うのは本音なのだろう。
すっかり忘れていたが、給料の話をていなかった。
この世界では、最低賃金のような決まりはない。
それもそうだろう、奴隷制すらある世界で、こんな細かな規定はないだろう。
「二人のお金に関して何んだけど………」
「私達、生活さえ保障してくれれば、賃金はいりませんよ?」
俺の手持ち金も残り少なくなってきているので、願ってもない条件だが、本当にいいんだろうか。
「ホントにいいの?」
「はい、今の私達を欲しがってくれる人なんて、ほとんどいないですから」
そうなのだろうか?
だって、こんなに受け答えもできる人は少ないと思うんだが……………
「そんなことないと思うけど……………」
「いえ、私達には、親が居ないいので保証人がいないんです」
確かに、一般の商人からすると、保証人もいない人を雇って逃げられたら大変だ。
皆、リスクを負いたくないいのだろう。
「じゃあ、とりあえず、儲かるまではその契約で行こう」
その時、リンが帰って来たのだった。
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