第412回『脚本家は使い捨て、代わりなんていくらでもいる』

脚本家というのはプロデューサーや監督、または決定権のある人や偉い人たちから「こうしてください」と言われれば、そうするしかないのです。

意見や提案を言うこともできますが、上層部が気に入ったり要望に沿わなければ、OKは出ません。

脚本家としてそれができないのなら、降りるという判断くらいしかありません。

あるいは降ろされるか。

これはオリジナル企画でも原作モノでも同じ。


脚本家なんてものは使い捨て可能なモノです。

代わりなんていくらでもいます。

世の中は人手不足といいますが、脚本家と役者は掃いて捨てるほどいます。

タダでもやりたいという人であふれています。

だから、ローギャラやノーギャラでも厭わないのです。


そして、書いて提出した脚本は大なり小なり改変されます。

無断でされる時もあれば、「あとはこっちで修正しますね」という場合も。

結局、作品が実現しなかったり、お蔵入りになることもあります。

陽の目を見なければ、お金はもらえません。

陽の目を見ても、お金がもらえないこともあります。

クレジットの「脚本」に名前を載せてもらえない時もあります。

ごく一部のメジャー作品でなければ、二次使用料もありませんし、著作権も譲渡です。


脚本家とはそういうものなのです。

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