第4話

29

農業研究所の所長がやってきた。[どうもいらっしゃい。どうぞおかけになってください。]

[現地に行って3本のイチョウを確認してきて、王様の名前で新種登録も終わっていますので権利は保護されます。成分表に効能効果も書いてあります。


食中毒を起こすメチルピリドキシンはなにも含まれていませんので、いくら食べても大丈夫です。ぜんそくに痰それに夜尿症には効果がありますが、成分としてはカロチンが多めで普通よりだいぶ多いです。このイチョウは露死阿の土壌に適していてかなり北まで行きそうですよ。]


所長[それと反対に南にも適応していてたぶんどこでも育つと思います。というのは自分で適応をしてしまう能力を持っているのです。貧しい地区のお寺にこの木を植えておけば食料でずいぶんと助かると思いますし、本来イチョウは荘厳な雰囲気を醸し出しお寺にふさわしいとされています。]


[そうですね。お寺に大木を植えるようにいたします。特に貧民地区には大変にいいアイデアです。それからロシアに大量に植栽して商品化をして輸出ができるとともに、現地の貴重な食料になるようにします。]

所長[これは地味ですがノーベル賞級のものだと思いますので、学術専門誌に発表をしておきます。][よろしくお願いします。]

30

王様がキッチン石松にやってきた。タエ[いらっしゃい王様。キノコは早速に届きましたが、本当に安くておいしいです。][これを空煎りしてくれるかな。]とギンナンを200粒ほど渡した。

タエがすぐにフライパンを持ち出して、自分で煎りだした。ほどなくしてできたので皆で食べてみた。[お・お・お・王様。う・う・うまいです。][このギンナンはおいしいジョー。]


ター坊[親分、これはいけますよ。][私がロシアで新しく作り出した品種で一般にはまだ流通していないが、なんなら他にない秘密の食材として無料で提供してもいいぞ。ただ無料でこの銀杏料理を無料で食べに来るけどな。はっはっはっ。][お・お・お願いします。][とりあえず3万粒作るので後で取りに来なさい。]タエ[はい。わかりました。]


[あ、それから普通ギンナンは食べ過ぎると当たってしまうけど、これはその原因の成分が無いので何個でも食べれる。これは農業研究所で調べた結果だから間違いがない。][食べてもピーにならないジョー。]タエ[これをうまくマスコミにアピールをすれば当店の目玉になりますね。世界最初の食材で手頃でおいしい。これはいけるかもしれません。]

31

ロシア開発社長の真田康之が招待されて、キッチン石松で王様とスタッフと一緒に食事をしている。[どうです。味はいいですか。]真[食材がいいものを使っていますね。私のホテルにはないものです。]


[真田社長をお呼びしたのはよろしかったらこの食材を、使ってもらおうと思ったからです。その他にも話はありますけれどね。][まず食材ですがキャビアにフォアグラそれにトリュフの世界三大珍味の食材でこれ以上のものはありません。すぐに使わせて欲しいです。


それからキノコもロシア産ですが、私が関係したところのものですね。これも手軽に手に入るなら使いたいです。最後は恐竜鳥ですか、これも私共が取り寄せているものよりはるかにいいものです。一番最後に残ったこのギンナンもいいですよ。][最初の4点は一般販売をしていないので王宮研究所から取り寄せて下さい。安価で手に入ります。それからロシアのキノコはネットショップ社長に私から命じられたと言えばすぐに対処します。]


[最後のギンナンは真田さんも知っているロシアの湖のところに住んでいるキノコ工場の社長の自宅近辺に私が新しい品種を作り出して3本植えたものです。農業研究所に鑑定してもらい、食中毒を起こす成分が含まれていないのを確認していますので安心をして提供できます。これは私の全くの手作りですので取り合えず3万粒を2箱差し上げますよ。異次元倉庫ににありますので、分身していくらでもOKです。]

32

久しぶりにブータンに行くことにした。内モンゴル一番の都市フフホトで一泊してからである。内蒙古の首都であるフフホトには最高級から少し落ちるホテルしかないが、名前でシェラト〇ホテルになったということだ。侍従がすでに手続きを済ませているので鍵だけを受け取った昼食は室内プール脇にあるレストランで勝手に各自で取ることになっている。


すず[室内でもなんでもプールサイドで食事を取れるのは最高です。]最近はこのパターンが多いので手慣れたものである。子供たちは犬4匹と共に走り回っている。世界的なチェーンなので犬の同伴を断られると思ったが、景気が悪いのか問題なく歓迎された。


[まあ、このぐらいのホテルだったら上出来だな。]志野[そうですね。昔だったらめったに止まれないクラスですよ。][夕食は羊だろうな。それしかないから。]志野[臭いがあっても食べられないほどではないでしょう。][そうだな。運を天に任すしかないな。]


その夕食タイムがやってきた。見事に羊ばかりでもうやけくそで食べるしかない感じであるが、火鍋料理は野菜も多く鍋物を食べなれている日系人にはそれほど抵抗がない。あとは羊餃子に串焼きに塩茹である。


昴[チヨちゃんこの餃子は臭く無くておいしいよ。]チヨ[本当ね。美味しいわ。][どうやら当たりのようだ。臭く無くて何よりだぞ。臭いのは臭いからな。]長[火鍋は野菜もあるからちょうどいいかな。あとは塩茹でもいいですね。]

33

チヨ[鍋は肉と野菜のバランスがいいので、健康に良いと思います。]昴[ボクもチヨちゃんの意見に賛成です。][たまには変わったのもいいな。羊肉は脂部分が少なくて健康にいいかな。]フフホトからブータンである。今回は新しく作ったプールの確認が主目的である。


すず[いい感じのプールですよ。23mですか浅い所もあり子供も使えますね。]昴[王様、隣の子供たちも呼んできていいですか。][いいけど。隣でも警護と犬2匹を連れていきなさい。]昴[はい。わかりました。]


3人の子供はすぐに水着でやってきた。早く泳ぎたいようだ。

[身体に水を浴びてから入ってね。]子供[はい。わかっていますよ。学校でやっていますから。]昴達も着替えてきて楽しく遊んでいる。王様に志野や子供たちにスタッフ全員がプール周りで1日をくつろいで過ごしたが、夕食はいつものように隣家の家族を全員呼んでバーベキューである。

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