#30 森山くん中毒
3週連続で週末を森山くんと過ごせることに。
これもハルコちゃんのお陰。
今やハルコちゃんは私の大切な相談相手だ。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よ
とは言うけど、馬と言うよりも私にとっては上官?参謀?軍師?
土曜日の朝、早起きしてバッチリおしゃれして手土産も持って、ハルコちゃんの手引きで2度目の森山くんのお宅訪問。
お庭のドズルくんに挨拶をして、ご両親への挨拶も忘れずに。
森山くんのお母さんは
「あらーヒメカちゃん!遊びに来てくれたの~♪ まぁケーキ買ってきてくれたの? いつも悪いわねぇ。じゃあお昼ご飯ご馳走用意しなくっちゃね♪ うふふふふ」と相変わらず明るくて可愛いらしい。
その後はハルコちゃんのお部屋に案内されるも、森山くんの部屋の前を通った時に「ココが森山くんのお部屋・・・今日わたしはココへ・・・ゴクリ」とか意識しだしたら、色々妄想が広がってしまい、ドキドキが止まらなく。
そんな私を心配してくれたハルコちゃんが、気分を変えようとお庭のドズルくんのところへ連れて行ってくれた。
そこでハルコちゃんが改まった態度で私に問いかける。
「ヒメカさん。 ドズルと私は兄を大切に思う同士です。 ヒメカさんはどうですか?」
私は迷うことなく答える。
「私も森山くんを大切に思う気持ちは二人にも負けないです!」
「はい、分かってました。そう言って下さると思ってました。 ではここに居る3人は兄を守る為の仲間です。これからは協力してガッチリ兄をガードしましょう」
ハルコちゃんの呼びかけに、朝から浮かれていた私の気持ちが一気に引き締まる。
腹の底に力を込めて、私は気合入れた。
「押忍!!!」
そして、私の気合を感じ取ってくれたのか、ドズルくんが遂に体へのタッチを許してくれた!
ドズルくんとの触れ合いで和んだ私たちは、ようやく本日のメインイベント、森山くんの部屋での勉強会へ
ヒメカちゃんがノックもせずに部屋の扉を開け放つ。
すると、そこにはリラックスした森山くんの姿が。
普段私には見せてくれない、ユルユルの森山くん・・・
そんな森山くんを見て、途端にドキドキバクバクし始める。
あ、挨拶しなくちゃ!
「お、おおおおおおはよう!森山きゅん!」
ああもう!またかんじゃった!
しかし森山くんは、そんな私とハルコちゃんを戸惑う事なく部屋に招き入れてくれた。
森山くんの部屋に一歩踏み入れる・・・そこは森山くんの匂いが充満した、正しくパラダイス!
ああ、ココに居たら確実に森山くん中毒になる・・・
そんなバカなことを一人で考えていると、早速勉強を始めることに。
テーブルに森山くんと並んで座り、問題集を解いていく。
沈黙が続く
お喋りしたいけど、森山くん真面目に勉強中だし・・・
すると、私の心を読んだかのようにハルコちゃんが口を開いた。
「はぁ、お兄ちゃん、折角ヒメカさんが来てくれてるのに、何か話題は無いのですか?」
そして、それを切欠にお喋りが始まる。
森山くんはテレビ番組で見たという社会問題の話を始めた。
正直言って、森山くんの匂いに侵されドキドキしてたから内容はほとんど頭に入って来なかったけど、森山くんが私の為に話してくれてたから、その表情見てキュンキュンしてた。
ハルコちゃんは森山くんにクレームを入れてたけど、今の私はどんな話題でも良かった。 だって、森山くんの部屋で森山くんの匂いに包まれて森山くんが私の為に話してくれるんだもの。
そして話題は、私自身についてに。
ハルコちゃんに促されて森山くんが私の服装を見つめる・・・
じっと見つめる森山くん
そんなに見つめられたら恥ずかしいよぉ、とドキドキMAXになっていると
『落ち着いた大人っぽい装いで素敵、ですね』
はぅ♡
す、素敵って言ってくれた♡
もうダメ
鼻血でちゃう
どんな対戦相手のキックよりも強力な一撃♡
その後、勉強を再開したけど、キュン死寸前の私は全く進まなかった。
そして、森山くんとハルコちゃんが同じタイミングで席を外した時間があって、トリップしっぱなしの私は我慢できずに森山くんのベッドにダイブして、森山くんの枕に思いっきり顔をうずめた。 今や私は立派なジャンキー。森山くん中毒がかなり進行してしまった。
このことは二人には内緒だ。
流石にこれだけは墓場まで持っていこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます