第52話 宴と冬の王の部屋

湖に浮かぶ氷の城・・


王は 水の入った壷から 氷で出来たバラを作り出す

氷は一枚一枚 花びらの形となり空中を舞い 寄り集まり

薔薇(バラ)の形をなす・・。

薔薇は宙を舞い上がり

城を彩り飾りたて、人々の拍手と歓声があがる・・。

小さな氷の小鳥たちが光る魔法の玉のまわりを滑空して踊るように舞い飛んでいる。

宴の音楽に ご馳走に ダンス・・

ひとときの宴に 酔いしれる・・。


王の耳元に 再び 今度は小さな氷の小鳥が降り立ち ささやく・・。


「そうか、ついに動きだしたか・・そろそろ 行かねば・・」

王は小さな声でつぶやいた。


「宴をお楽しみあれ さて、諸君 

実は 森の奥へ古い友人が訪ねてきた・・

百年ぶりに会う者ゆえ話も山のように積もっておる

我は戻れぬ時には 氷の馬や動物達たちに

命じておくゆえに 彼らが諸君を土産とともに家まで送り届ける では・・」


王は笑い 楽しげに笑顔をみせる民人達に手を振り 宴の席をたち

部屋の奥に向かった・・。

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