第2話 アドベント 聖なる時のクリスマス 2

アドベント…

聖なるかな 祈りの時間…


今は祈りの時に…君の為の祈りを捧げる。


やがて僕は神学校に入り、神父になって…


長い月日の後で やっと…君からの手紙…


僕は教会で灯りを灯し

いつものように…祈りを捧げる。


教会のドアを誰かが開く


グレーのケープコートに上品なドレスを纏う君がそこに立っていた…

傍らには…あの頃の君に似た可愛らしい少女が寄り添う



君は涙ぐみ しばらく後に それから口を開く

「久方ぶりに会えましたね」



「手紙にあった君の娘さんだね あの頃の君によく似てる

疫病の騒動の後で…その後も大変だったそうだね」


僕の言葉に君が答えた

「ええ、とても」

僕の問いかけに君はそう返す


「今は 優しい夫君と幸せに暮らしてるとか…」僕はそっと聞き返した。


君は微笑み頷く 

「安心した…とても心配してた」


互いの瞳を見つめあう そして


そっと口を開き、僕はこう問いかけた

「君の幼なじみとして 神父として君達 親子の為に祈りたい」


君は言う 

「有難う 嬉しいですわ どうぞ、祝福を下さいませ」


アドベント…

聖なる時間…聖なる期間…


貴方の幸せを願い祈りを捧げる…



21.12.4 アドベントの始まりのお話

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