セントエルモの火

遠矢九十九(トオヤツクモ)

第1話

僕は、選択を迫られていた。


背後には、大鉈おおなたを腰に下げた、原始時代みたいな格好の男たち。


僕の手には彼らと同じくの大鉈おおなたが握られ、僕はそれを、目隠しをされて後ろ手に縛られひざまずき、声も無く震えている兵士の首に向かって、大きく振りかぶっていた。



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