第22話
「特異点とは私の認識が正しければ、世界の到達点、もしくは交差する場所という認識でよろしいでしょうか。」
「諸説あるが概ね正解と言っておこう。
哲学的なことも交えているのによく知っているモノだ。
きちんと思春期をやっている青年は近頃少ないからねえ。」
「哲学って……。」
「いやいや大したものだよ。
日本もあれで宗教国家であるからね。」
「へ?」
「国教こそないが国王信仰は厚いままだろうに、国民の祝日に必ず皇族の誕生日があるだろう。」
「ああ。」
そういわれればそうだ。
ある種の洗脳教育をされていたのは解っているつもりだったがそこまで頭が回らなかった。
「ま、このような考え方は学校では習わないし、今は友人のダンジョンの探索に乗り組むとしようか。
シムの奴が失敗したがドッペルゲンガーを使うことにする。
骨は無いがその分は私たち、身長が近いシムが乗り組めばいい。
後はシムに連れて行けばいいさ。
ダンジョンマスターはモンスターをどこでも自由に操れる能力を持っているからね。」
ある意味チートだ。
「でも制約はあるからね。
ダンジョンの外にある一定の力を得なければ外に出た時その権能も失われるっていう制約がある。
でも頑張れば地球、元の世界には戻れるよ。」
「何でそんなこと知ってるんですか?」
「私はそのダンジョンマスターに頼んでこの世界に来た口だからね。
柔術がどの程度通用するのか知りたくてね。
私のは学校で習うような柔道と違い、
いかに人を殺さずに人を壊し、精神をも壊すことで一切の復讐心を抱かせることのない倒し方ができるかをね。」
怖いです。
日本でそんなことしたら犯罪ではないでしょうか。
復讐心を抱かせない時点でバレることが無いんでしょうけども。
「私も昔はオタクでいじめられっ子でね。
古文はエロ本と理解できないような馬鹿な連中ばかりで読書すれば、ストレスをたまらせる上司が多く居たモノだ。」
「元社会人なんですか?」
「君と同じ工業高校の出でね。
はじめは不良どもに良い目の敵にされていたよ。
さて、鯱蛇だが今の君の力でも勝てることをシムに君と同じ筋肉で魔力を一切使わずに戦ってもらおうか。」
「ひどいネ。」
「自分の欲求に素直になり過ぎたお前が悪い。」
「そうじゃな。」
「コレシッテルヨ、ジゾウジドクネ。」
「それを言うなら自業自得だぞ、マサドラ君。」
言うがままにスライムが自動で湧き出るスライムの泉を生成し、それに合わさるようにキョンシーのシムさんの身体を変形させていった。
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スライム道
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