第18話 サイド砂漠のダンジョン

サイド砂漠のダンジョン


「このままじゃ、死ぬ。」


砂漠だから生物のせの字をも見当たらず。

蟻塚なども見当たらないし、来るのは精々サソリくらい。


周りの植物が無いのが要因の一つとして挙げられるが、根本的に生物が少なすぎた。


「せめてもの救いは、水が知恵の門で確保できているってことか。」


しかし、生命体が一切居ない。


「にゃー。」


そんなこと思っていたらネコがいた。


「うん。」


ポイントは微々たるものだがマイナスからプラスにはなりそうだった。


「意外とネコってダンジョンポイント率高いのな。」


可愛らしいネコさまに住みやすい環境を作って居座ってもらおうと考え始めた。


とりあえず、知恵の門で鰹節とカツオ、藁、水場を即興で考えた物語で作り出す。


「えっと鰹節を造るのに必要な材料を述べよ。

 でいいか。」


ミスリードとして、カツオの叩きの材料と共においておけばどう手とでも成る。

また調理法をしるした本を置くことで防いでおいた。


「にゃん?」


ネコは突如として現れた謎の物体に警戒心を表しているのか、後ろに後ずさった。


「いきなり出すのは辞めた方が良かったか?」


野生動物はただでさえ未知の事柄に対する警戒心が跳ねのけて強いことを忘れていた。

ネコは警戒し続けている。


じっと見ながら様子をうかがっている。


そのまま獲物に目を離さないまま数分が経過した。


「スンスン。」


興味を示しながら匂いを嗅ぐ。

このネコにとって海水魚自体未知の生物で淡水魚とは比べ物にならない異質なニオイに一瞬身震いこそ起こしたが食べられるのではと疑問を浮かべていた。


「そのまま食べて居座ってくれるとありがたいな。」


砂漠で飢えを凌ぎたい俺にとってこのネコは仏様のように見える。


「はむ。」


鰹節を食べた。


「はむはむはむ。」


がつがつと食べ始めた。


「このまま居座ってくれよ。」


居座って俺にダンジョンポイントを( ゚д゚)クレ。


「にゃーにゃー。」


藁の中に入り居座った。


「っしゃー!」


思わずガッツポーズをとった。

それくらいには生計がかつかつだったのだ。

ネコ一匹で知恵の門二つくらいの維持費は賄える。


「あれ?」


嬉しくて水晶から目を離していたら、大家族になっている。


「これ100匹くらいいません?」


ダンジョンはネコに占拠されたと言っても過言では無い量のネコが最初のフロアに居た。

ダンジョンポイントはみるみる入ってくる。


「これくらいいると全員賄えるのか?」


意外と仲間意識の強いネコたちなのか餌を食べつつも警戒している。

それでいて全員そろって食べている。

可愛いけどここまでいると怖い。 

 

____________________________


読者の皆様の感想。

レビューが作者の励みになります


コメントが苦手な方でもぜひ反応を示してくれると幸いでございます。


また誤字脱字に関しましては一息ついてから確認いたしますのでご協力お願いします。


スライム道

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る