第8話ダンジョン改修後

ダンジョン改修後


「このダンジョン、変革が早すぎではないか。」

「まだ出始めの段階でここまで変えてくるのは初めてですね。

 流石に初手が知恵の門なのは不思議に思いましたが階層すらも変えるとは。」


幾らなんでも早すぎる。

大抵のダンジョンはそのまま放置されることが多い。

ダンジョンが変化するのは早くとも、半年周期。


これはダンジョンマスターが傭兵などをしていることが多いためだ。

人間引きこもることはあまりできない。


ダンジョンマスターは無作為に選ばれる。

それこそ、気分次第に近い。


「この王都近郊にダンジョンがあるだけでも問題だと言うのに、ここまで変化が早いとは。」

「スタンピードを起こす可能性がゼロでない以上、我々は攻略するしかあるまい。」


仕事であり、王に忠域を誓った彼らに後退の二文字は無い。

それをしては騎士道に反するからだ。


「しかし、これは何だ?」


王都から学者を呼び、知恵の門攻略に向けての下準備を推し進めようとした矢先のダンジョン変革は痛い。

それも広大な敷地だった。


「どこまでも続く、荒野か何かか。」

「騎士様、これは荒野ではありません。

 この土壌を見てください。」

「何?」


一件荒野に見えるところだったが少し地面を削ると黒い土が顔を出した。


「これほどまでの土壌は、大陸の暗黒地帯にしかありませんよ。」

「暗黒地帯だと……。」


魔王が居城にしていると言われている大陸中心部のことだ。

魔王が魔術の王なのか魔物の王なのか、誰も知らないが、強力な結界が張られていることで有名だった。


「稀に国交のあるモノから出回るモノは全てが最上のモノと聞いているがそれと同じとは……。」

「最高品質であることは確かですね。」

「この土は持ち帰れるのか?」

「隊長、どうやら無理なようです。」


ダンジョンの出口に出ようとすると土くれだけが弾かれた。


「まさかこの広大な敷地が知恵の門とは。」

「正に知恵の門を造るために知恵を絞っていると言えるな。」

「ふむ進むしかないな。」


足を踏み入れるが何か、この土地はおかしい。


「太陽が出っぱなしだ。」

「まさか、この知恵の門は答えを入れるところまで行くに苦労をさせると言うのか。」

「見えてきましたよ。」

「あ、井戸もある。」


井戸から水を汲み一気に飲み干していく。


「お前ら、毒の心配をしろ。」

「大丈夫ですよ。

 私の鑑定パワーで拝見しますと軟水で毒は一切入っていません。」

「そうか。」


改め水を飲み、ダンジョンの問題を見る。


毒を持つ作物を献上せよ。


「この種を育てろと……。」


____________________________


読者の皆様の感想。

レビューが作者の励みになります


コメントが苦手な方でもぜひ反応を示してくれると幸いでございます。


また誤字脱字に関しましては一息ついてから確認いたしますのでご協力お願いします。


スライム道

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る