第2話 オタクの対価

オタクの対価


「対価か、もらえるならもらいたいが、大河はそんな余裕ないだろ。


 もし、俺らに何かあったときの同盟を結んでくれればそれでいい。


 この世界に来てから損得勘定で動いている方が安心かもしれないが今はそれにしておこう。」


「なら、俺は軍隊の指導方法を伝授する。

 これで俺の対価は良いだろ。

 それとは別に同盟を申し込む。


 大河も今は早急にダンジョンを鍛えねえと殺されちまう。


 俺らみたいな陰キャ、趣味の合う同郷の親友を失いたくねえから安心しろ。」


「すまねえ、みんな俺の一人のために変なお願いしちまって……。」


俺のダンジョンが最も危険な状態にある。

ダンジョンが芽吹けば安全のために討伐隊を組まれてもおかしくない。


下手に王都の住民に頭を下げるようなダンジョン造りもリスクがあるなら、

最初からリスクを問わないダンジョンを造る必要があった。


「じゃあ話すぞ。

 今、ダンジョンの端末開けるか?」


砂手に言われてダンジョンのポイントを売買したり管理する端末、水晶のようなものを立ち上げる。


「開いたぞ。」


「ああ、じゃあその端末の罠の欄を見てくれ。

 ダンジョンの罠の中に知恵の扉って罠があるだろ。」


「ああ、あるな。」


「それをタップして説明表記を見てみろ。」


知恵の門 必要ダンジョンポイント15

知恵を確かめる門。

答えを必ず置いていかなければならない。

ただし、その答えも知恵の門として扱われるためコストは15で固定される。


「これ、まさか。」

「そのまさかだ。」

「やる価値あるか。」


答えとして置いておけばいいとしか書かれていない。

つまりは相手に合わせる必要は一切ないと言うことか。


「マンガ本を生成すれば、俺ら独自の知恵の門の完成ってか。」

「それは良いな。」

「ってことは既に砂手はもう作ったってことか?」

「ああ、俺は銅魂全巻知恵の門を一つ構築してあるぜ。」

「なら俺は週刊誌で作ってみるわ。」


「「!」」


単行本を読破するだけでも楽しい人は楽しいがそれすらも苦になる人が多い。

それを各漫画詰まった週刊誌で覆いつくされれば探し出すのは困難を極める。


「それに一個の知恵の門で少なくとも俺らの知ってる号数までなら生成が可能。」

「一部休載なんかもあるしそれをいちいち探すのは面倒に思えるし、学者を連れ来る必要はあるな。」

「それだけじゃねえ、ブルーレイ全巻も組み込むんだ。」

「テレビとブルーレイレコーダーも知恵の門に組み込めるのか?」


既に行動を起こしていた。


「もうできてるぜ。」


端末にこちらの映像を映し出す機能があったので彼らに共有した。


____________________________


読者の皆様の感想。

レビューが作者の励みになります


コメントが苦手な方でもぜひ反応を示してくれると幸いでございます。


また誤字脱字に関しましては一息ついてから確認いたしますのでご協力お願いします。


スライム道

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る