警察

〈警察〉

「みんなもうちょっと左、左、はい来るよみんな!」


 ドサッ


 周りに集まった皆全員で、空から落ちてくるジャックとお菓子を受け止めた。


「はいジャック確保! 確保ぉ!」


 まさかこんな平和で小さな町で手錠を使うとはな。


「お疲れ様じゃな、警察さんよ」

「あぁ、おばさんか。あんたも一体、何者なんだ」

「こんなよく分からんおばさんのことは放っておいてよろしい、それより、光輝君じゃ」


 王子の服を身にまとった少年は、ゆっくりと地に足をつけた。一斉に子供たちが彼の元に集まる。その、どこにも悪のない風景に向かって、俺は全力で頭を下げた。やはりこの仕事は、この区にとっても、俺にとっても、必要な仕事だったようだ。

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