第8話
私の牢獄にリドル達が来てから、はや2日。いつ戻れるの?と毎日暇していた。すると、騎士のルドリヒがやってきた。
「ルドリヒ!私はもう出られるの?」
ルドリヒは少し驚いたような顔をした。
「おい。俺はお前にいつ名乗った?なぜ俺の名前を知っているんだ?」
ルドリヒは私に詰め寄った。
「だって、入れ替わったもの。マリア様が知ってそうなことはなんでも知ってるわ。」
私はマリア様のところを強調して言った。
「……。」
ルドリヒは少し悩んでいるように見えた。 もしかして、私のことを信じてくれているの?!私はそのわずかな可能性にかけた!
「あなたがこの邸宅に来てはじめての日にあなたは私の足を誤って踏んでしまいましたよね…。あの日はバレたらあなたはこの先不安になりそうなので私は誰にも言わないとあなたに言いましたよね?ルドリヒ。」
私はルドリヒがこの邸宅に私の護衛でやってきた初日の日のことをルドリヒに話した。
「もしかして…ほんとに夫人なのか…?」
ルドリヒは私の方をじっと見つめてきた。
「えぇ、そうですよ。ルドリヒ、口の書き方には気をつけましょうね。」
私はルドリヒに注意をし、微笑んだ。
「夫人…今まで数々のご無礼をお許しください!!誠にすみませんでした。」
ルドリヒは私に頭を下げた。やっと…やっと信じてくれる人ができた!私は嬉しかった。
「周りの人にも俺から話してきて信じてもらいます…!!」
そう言ってルドリヒは牢を出ようとしたので私は止めた。
「待ちなさい。」
ルドリヒの動きはピタッ止まりこちらを振り返った。
「はい、なんでしょう。」
ルドリヒは完全に罪を犯したメイドに聞く口調ではなくなっていた。それが嬉しかった。
「それは私からみんなに何度も何度も説得しました。ですがダメでした…。あの公爵様にも信じてもらえませんでした。」
私は今までの悲しい想いをルドリヒに言った。
「なのであなたから言ってもおそらく信じてもらえないでしょう。それだけではなく、頭のおかしいメイドの味方をすると思われ、あなたのこの邸宅で築き上げてきた信頼がすべて失うでしょう。」
私はルドリヒにそうなってほしくなかった。
「ですが…!」
ルドリヒは何か言いたげな顔だ。
「ふふっ…別にいいのよ。それだけ私に対する忠誠心があるのね。嬉しいわ。」
私が笑顔を見せるとルドリヒも笑った。
「ルドリヒ、私はおそらくもうそろそろ別館に勤めるメイドとしてここを出されるでしょう。」
「ええ、聞いています。」
ルドリヒはあたりに誰もいないか確認し返事をした。
「そこで、護衛の騎士を付けられるのですが…」
「僕がやります!」
ルドリヒはやる気満々の声で言った。
まあ元々そのつもりだったんだけどね…。
「僕が別館のシェリー夫人に名乗り出とくのでそこらへんの心配は大丈夫です!」
「ありがとう…!」
仲間ができた。信じてくれる人ができた。
嬉しい!!あとはモリーもこちら側につかせよう!!
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