その夜に
斎場で
横たわる父の顔は
あまりにも穏やかで綺麗で
本当にただ眠っているだけのようで
それでも触った頬の冷たさが
父の魂が旅立ったことを
わたしに思い出させる
道しるべの線香を絶やさぬように
おとうさん、眠れないから
もう少し話していてもいいですか?
現世の父といられる残り少ない夜が
静かに静かに過ぎていく
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
◆ 斎場で改めて見た父の顔は、とても穏やかで綺麗でした。
触った頬の冷たさがなければ、まるで眠っているようで。
最愛の亡き妻に逢うために、駆けていく父の姿が見えるような気がしました。
線香を絶やさないようにしながら、父と昔話を……。
ねぇ……おとうさん。
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