第2話 同居一ヶ月からの攻勢
「晴彦ーファンタシースアーの通信やろー? だめ?」
どうすれば可愛いと思ってもらえるか!ボクは些細なことから少しずつ攻めていくことにした。
リボンをつけるとかそんな大ヒントはあげない。変化させたのは仕草。
だめ?と聞きながら首をコテンと倒す。大学の女友達から聞いたあざと必殺技の1つだ。
なおボクの男装はよほどずさんだったのか晴彦以外にはすぐにばれた。というか男装だと気づいてもらえないことも多かった。
晴彦? 君は鈍感すぎやしないか?罰として首コテンでハートを打ち抜かれるべきだと思うよ。
観念してボクを可愛いと思え!鏡の前でだいぶ練習して自然にできるようになるまで頑張った一撃だ!
「すまん。ピーエスヴィーアの充電わすれてたからまた今度でいいか?」
「なん…だと…」
「そんなにショックを受けんでも」
はっ、思わず口に出してしまった!首コテンが効かない…!?普通に返してきたぞこの男!?鈍感すぎるだろう少しはドキッとしろよ!!
「俺ちょっと外走ってくるわ」
「ああ、うん…行ってらっしゃい…」
落ち込むボクは力なく晴彦を見送った。稀にジョギングしに出かけるんだよね晴彦、前はブラを見たときだから一ヶ月近く前か…すごーく稀に走るんだなー。
気を取り直して次の作戦だ。帰ってきた晴彦に秘密兵器を伝える。
「ねえ晴彦。どうも使っているシャンプーが合わないみたいでシャンプーを今日からこれに変えるね」
そういってボクは晴彦に女性物の可愛らしいデザインのシャンプーを見せる。ふふ、こういう小道具の変化は気になるだろう!
「へー今まで使ってたシャンプーはどうするんだ?」
またしても平然と返してきただと!?え、えーと正直勿体ないよね前のシャンプー…うーん、ボクには合わないってことにしちゃったし…
「晴彦が使ってくれる?」
「…古都のシャンプーを?俺が?」
「うん」
「…もう一度走ってくる」
元気だねー晴彦は。これからはジョギングも趣味に入れるのかな?
平然とスルーされてしまったけどシャンプーは二段構えの攻撃だ。今までのと違う匂いがボクの髪から香るので晴彦にすり寄ってダメージを…
うん?意識させたい相手に髪の匂いをかがせにすり寄る…?無理無理!できるかそんなの!!うわー無理だって無理だってあああ顔が熱い、たぶん今真っ赤になっているな…
晴彦ぉ…おねがいだから時間かけて帰ってきてね。ボクが冷静になってから帰ってきてくれー…
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