クールで誰もが憧れる美人な自警団団長は、あなたを自分の物にしたい歪んだ欲望があった

……ふぅ


今日も騒がしい町……全く、いつになったら平和になるのかしら


さぁ、今日もうるさい奴らを成敗しに行くわよ


……ん?


ああ、あなたはいつも通り、お留守番よ


……なに言っているの?


僕も悪者を退治しに行きたいだなんて


//右至近距離囁き

あなたが退治されちゃうわよ


そんなひ弱な体じゃあ、ここで待ってるしかないでしょう?


おとなしく、私たちの夜食を作って待っていなさい


……はぁ


そんな目をしてもダメなものはダメ


それとも、私を倒せるくらい、実は強いのかしら


さぁ、戦ってみる?


……ふふ、覚悟だけはいいみたいだけど


//左至近距離囁き

もう決着は着いたわ


……ほら、首筋の刃、わかる?


……私はね、あなたの正義は尊重する


だから、この自警団にもいれてあげた


けれど、団長として、力は認められないわ


それに、足手まといになられちゃ困るの


……あなたにはね、団員を支える重要な役割があるんだから


わかった?


……よし


それでは、行ってくる


あなたも気を付けるように


//数日後


……あら、なんだか楽しそうね


どうしたの? 私も混ぜてちょうだい?


……あーあ、あの子、言っちゃった


ねぇ、君、どうしたの?


あの子とお喋りしてたけど……なんだか雰囲気、怪しかったわよ?


あの子が好きなんだ?


ふぅん……そうなの……


ねぇ、あんまりお痛はしないでちょうだい


ここで面倒を起こされたくないから、色恋沙汰は禁止しているのは知っているわよね


……ならよし


自分で自分を律することができて、初めて自警団を名乗れるのだから


……あー、そうそう


あなたにはいつものお使いを頼みたいと思っていたの


半日くらい時間がかかるかもしれないけれど、この手紙を渡してきてちょうだい


これからの自警団についての大事な手紙だから


よろしくね?


ん? 慣れたから1、2時間で行ける?


……強がらなくていいわ


途中で事故を起こしたりしちゃ、大変でしょ?


ゆっくり行けばいいから


それじゃ、頼んだわ


//数時間後、自室


はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……♡


もっと、もっともっと匂い……♡


はぁ、好き、好きぃ……好きっ♡ 好きぃ♡


……はっ!  誰!?


……ぁ……あなた……


……なにやってるのか、ですって?


//団長が押し倒してくる


ごめんね? 押し倒しちゃって……


でも仕方がないの


私は皆が憧れる、自警団団長


私はこの町を守る、正義なの


そんな正義が、裏でこそこそイケないことをやってたなんてばらされたら……


喋らない?


んふふ、そんなのは信じないわ


ああ、安心して、消したりしないから


ただ、あなたは他の人から隔離するだけ


//甘く右至近距離囁き

大事に大事に、誰にも襲われないように、あなたが逃げ出したりしないように、隠し部屋に一生隠しておくだけ……♡


ごめんね♡ だけど、やめられないの……


毎日毎日、死ぬ恐怖と戦うには……あなたみたいなか弱くて可愛い子で発散するしかないのよ……!


わかる? 毎日毎日重い責任がつきまとう、誰よりも前にでなくちゃいけない、だけど、死にたくない……死にたくない、死にたくない、死にたくないよぉ……!


はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……!


だから、あなたで気をまぎらわせていたの


本物には触れられないから、ベッドの匂いを嗅いで、なんとか自分を誤魔化してた


でも、それももう終わり……


//右至近距離囁き

今日からは、私のものにできる♡


ふふ♡


……え? 自分で自分を律するべき?


ふぅん、もしかして、私に意見するつもり?


//低音囁き

私よりも弱いザコの癖に


ああ♡ ごめんなさい♡ つい怒っちゃった♡


でも、もうなにも喋らないでね? あなたを壊したくはないから……


私はただ、あなたを独り占めして、愛したいだけ


わかってくれる?


……今すぐにはわからないかな


まぁ、監禁されていれば、すぐに気持ちも変わるわ


ふふ、言ったわよね


あなたは私を支えていればいいの


私を支えることはつまり、あなたの憧れの自警団を支えることと同じなんだから


さぁ、行くわよ


あなたの新しい役割を与えてあげる……ずっと、可愛がってあげる


だから代わりに、私のことをずーーっと癒すの


それが、これからのあなたの人生……ふ、ふふふ……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る