強く気高いヤンデレドラゴンメイドが大人しく従っているワケ

ご主人様


……ご主人様?


なにか考え事ですか?


……はぁ


私がメイドをしているのが今でも不思議、と


それほど気にするようなことでしょうか?


いえ、ご主人様が考えたいのであれば、私からなにか言うことはございませんが


おっしゃる通り、ドラゴンがこうして人に仕えるなんてこと、滅多にないでしょう


他ではあまり見かけませんし


……ふふ、そんなことを気になさっているのですか?


確かに、私とご主人様が戦えば差は歴然かもしれません


けれど、そんなことは起きないのですから安心なさってください


ご主人様は私よりももっとずっと尊いものをお持ちですよ


それがなにか?


んふふ……秘密です


それでは、本日の外出のご予定がありますので、お支度を


本日も私が警護いたしますからね


……ん? 今日は良い?


あら、どうかなさいましたか?


そんなことを言われたら、私の存在意義がなくなってしまうじゃないですか


私はご主人様をお守りする戦闘メイドとして雇われているのですよ?


基本的なお給仕も可能ですが、それでは他と同じではありませんか


どうか、ご主人様のお側に仕えさせてください


……え? 今日は女性にいられると困る、ですか……


あー、やはりそうだったのですね


今日お会いになられる方に……ご主人様は恋をしていらっしゃるのですね?


あぁ、そうでしたか


私という至高の存在がありながら、ちっぽけなものに恋をしてしまうなど……


いけませんよ、ご主人様


私はご主人様を、わるぅい敵から守らねばならないのですから


そこに私を連れていかないのであれば、なおさらです


従えないのか、ですか?


……いいえ? 私は私の使命に従っているのみ


ひ弱で小さくて矮小で、そして可愛い可愛いご主人様をお守りすることこそ、私の使命


ご主人様が誰かに奪われるというのなら、守りきるまでです


……もっとも、この辺りに私に勝てる存在なんていません


では、本日はゆるりと休憩なさってください


……勘弁してくれ?


あぁ、そうでしたね


ご主人様は女性と触れあいたいんですよね


わかりました……私が相手になりましょう


さぁ、ベッドの上でゆっくりいたしましょう?


……抵抗しても、無駄ですよ


//ベッドに連れていかれ


ふふ


では、抱きしめて差し上げます


……大丈夫、潰したりしませんから


ぎゅうう……♪


ふふ


ご主人様、体だけは大きいですね


でもか弱い……ふふ、それなのに弱い女性をそばに置こうとしてはいけません


私がこうして、ずっと守って差し上げます


ご主人様を胸に抱き寄せて、いつまでもぎゅってしてあげます


……ふふ、大きい、でしょう?


それに柔らかい……ご主人様の好みですね


早く、気づいてください……ご主人様はどうすればよいのかを


私はそれまで、ご主人様をずっとお守りして、お慕いしております


やさぁしく接して差し上げますから


よぉし、よぉし


寂しくて、ついつい他の女に手をだそうとしてしまったんですよね


可哀想に……


でも私がいます、私がいますからね


んふふ……♪


大丈夫です、私はご主人様がその気になってくれるまで、ゆっくり待ちますから


その間は、逃げられないようにやさぁしく……ふふふ


ご主人様が私にしてくれたように、やさぁしくして差し上げます


よぉし、よぉし♪


大丈夫、大丈夫ですよー


んふふ……ふふふふふ♪


大好きですよ、ご主人様♪

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