ヤンデレイケメン高身長女子が引っ越しを手伝ってくれてるけど……

//ドア開け


よい、しょ……っと


あっ、あれ? もう帰ってきたの? 早いね


いやぁ、意外と君、荷物一杯あるんだね~


なかなか運び出すの大変だよ~


まぁでも、私はこの身長から見て分かるとおり、体力と力には自信があるからね


さ、君も帰ってきたのなら手伝ってよ、今日中にさっさと積み込まなくっちゃいけないんだから


……え? なんだって?


引っ越す予定なんかない?


……え?


い、いやいや、引っ越しするんでしょ? 君


ほら、君、言ってたでしょ


最近、ストーカーにうろつかれてるんだーって相談してたじゃん


私には話してない?


あ、あぁ、まぁそれはそうだけどさ……


ちゃ、ちゃんと君の友達から聞いたんだよ? そういう風に相談されたって


お友達、凄く心配してたよ?


大変だったね……ストーカー、怖いよね、うん


けど、私にも直接相談してくれれば良かったのに


ほら、私の家、ちょっと広いでしょ?


部屋も余ってるし、防犯もばっちりだしさ


ね? 悪い話じゃないかなって思って


……あれ? この話、君にしなかったっけ?


あー……じゃあ、今話したから


でも、君も知ってるでしょ? 私の家の方が学校に近いこと


だから、これからはもう少し朝は寝てられるし、私が起こしてあげるから寝坊もしなくて済むよ?


それに、さ


//甘く囁き

君も私と一つ屋根の下にいられて、役得なことがあるんじゃないかな


んふふっ、反応が初々しくって可愛いなぁ♪


大丈夫……私が君の為に、色々手解きしてあげるからね


あぁ、そんなこと言ってたら日が暮れちゃうよ


もう少しだから手伝ってくれれば、今日からでもしてあげるよ?


……元に戻して?


お、おいおい


話聞いてた? 大丈夫?


このままだとストーカーに酷いことされちゃわない?


……私?


私が何?


私がストーカー?


え? どういうこと?


いや、だって、別にそれは……


私は違うよ?


君に手紙を書いたり様子を見るくらいいいだろ?


それに寂しいから君の部屋にマイク置いておいたりしたって、別に聞かれて困ることもないだろ


それがストーカー……?


は? いや、意味わかんないんだけど


とにかく荷物を返せ……?


分かってない……うん、君は分かってないね


君には私が必要なんだよ……分かる?


だから私の家に引っ越さなきゃいけない、私と同棲しなくちゃ……


だから、ほら、手伝ってよ


それとも、なに?


//低音囁き

君も荷物として積まなきゃダメ?


そっちでも私は良いよ


ガムテープで縛って段ボールに詰め込んでも、一個荷物が増えるだけだもんね


……え? 警察?


……! 呼ばせるわけ、ないだろ!


私が善意で君を助けてやろうとしてるんだろ!


なのに、恩を仇で返そうなんて卑怯だぞ!


あはは……


//低音

なんだよ、その目


その目、私を悪者みたいにするなよ


……許さない


私はただ君を助けてあげようとしただけなのに


もう……しょうがないなぁ……


なら、私の好意をわかってくれるまで教えてあげなきゃね


じゃないと、君が間違えて通報なんてしたら大変だし


……それじゃあ、大人しく私に捕まってもらおっか?


おらッ! 抵抗するな! 逃げるなッ!


お前が私に勝てるわけ、ないだろッ!


ふぅっ、ふぅっ!


よし、これでガムテで巻いて……


手も、口も、足もガムテで巻いて……


んふふっ♪ これで僕のモノだぁ♪


あははっ、こうした方が早かったかな?


持ち上げやすいし、このままなら段ボールにも入れやすいね♪


あはは……ふぅ


//低音

ねぇ……君、私があげた手紙、どうした?


私の手紙、全部気持ち悪いって言って捨ててたよね


悲しかったなぁ……ごみ袋から破り捨てられたラブレター拾うの、辛かったよ……


けど、全部残してあるから、今度はちゃんと受け取ってもらうからね


あははっ♪ そ―だぁ!


私の愛を受け止められるように、今日から君のご飯は、君が破り捨てた手紙にしよう!


んふふっ♪ 私があげた愛は本物だから、きっとそれだけで君もお腹一杯だよお!


それで今日から、私の部屋で生活するんだ


そうすれば……毎日、愛を確かめ合えるよね♪


あれ、震えてる?


あははっ、私だって殴ったり蹴ったりするつもりはないよ?


//低音囁き

でも反抗的だったら、躾が必要かもね?


んふ、ふふふふ♪


それじゃあ、一旦段ボールに入っててもらおっか


新居まで連れてってあげるから、その間は大人しく、ね?


//段ボール閉め

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