ヤンデレイケメン女戦士長が剣よりも強いものを知った
//ドア越し
私だ、戦士長だが……ちょっと入るぞ?
//ドア開け
あぁ、すまない、楽にしてくれ
私がここに来るのは珍しい?
あぁ、そう思うのも無理はないな
だが、折り入って君と二人だけで話がしたいと思ってな
わざわざ私から呼び出すと大ごとだと捉えられるのも嫌だし、私から出向いたわけだ
ふふ……私が剣にしか興奮しない変態女だとでも?
ははは、陰口くらい承知してるさ、君も知ってるだろう?
私がまだ処女だって言うのももっぱら……ははは、まぁ別に今まで気にはしていなかったさ
でも……同時に知ってたこともある
君がそういうことで私を馬鹿にしたことが無いってことだ
隊の連中はみんなそうやって私を馬鹿にして、微妙に壁を作るだろ?
女が戦士長だからかな……まぁ、私の得意分野が家事や料理ではなく剣だっただけだから、別にそんなことはどうでもいいんだがな、私も彼らのことは部下以上には見ていない
//色っぽく
けど……君だけは違う
君だけは私を、入隊から女扱いしてただろう?
どうしてだ? なんでそんなことができたんだ?
あぁ、いや、悩まなくて良い
別に君の口から答えが聞きたいわけじゃないんだ
もう私としては、君の気持ちを受け取っているからな……♡
だから、一応気持ちだけ確認して、君には戦士を辞めてもらおうかと思って来たんだ
……は? 辞める気はない?
あぁ、なるほど
気持ちはわかるよ
戦士になって守るべきものを守りたい……君の熱い気持ちは今でも覚えているよ
けど、私の気持ちも考えてみて欲しい
愛する人が傷つくところなんて見たくないだろ?
……あはは、なんだか変なプロポーズになってしまったな
そう……君と同じく、私も君に恋してしまったんだ
なんでだろうな……私の女の部分が叫ぶんだよ
君と一緒になりたいって
だから……私に君を、養わせてほしい
あぁ、もちろん私が君の分危険を背負う訳じゃない
今度から、私は後方に下がって文官になるんだ
ははは、今度からは剣ではなくペンが私の仕事道具になるわけだな
だから、君に心配なんてさせない
私と、結婚してくれないか
……今、なんと?
はは……まさかすみませんと謝ったわけじゃないよな?
どうしてだ? なぜ?
両思いだろう? それともなんだ、不満があるのか?
なぁ、言ってくれ
私にできることならなんでもする
こういうがさつなのが嫌なら、もう少し、その……女子っぽい仕草も覚える
全部君の為にする、だから……!
ぇ……他に好きな人がいる?
いや、まさか、ははは……君に限ってそんなのないだろ
そんなの、聞いたことなんてないぞ……?
なぁ、なんでだよ、その女より私の方が良いだろ?
私なら一杯尽くしてやる! 君を絶対に幸せにしてみせる!
だから、なぁ……私にチャンスをくれないか……?
少しだけ、少しだけ……
籍を入れてくれれば、私と結婚してよかったって思わせるから……
む、ムリ……?
……き、貴様……!
上官である私の誘いを、ただの一兵卒のお前が断るのか!?
あ、ありえない、ありえるはずがないだろ!
私こそお前に相応しいんだ! 他に相応しい女なんていない、お前には私だけだ!
だから来い! 私と!
……でなければ、クビに当てた剣がお前を切り裂いた後、私は亡骸を愛でよう
……ぁ、イヤだ、そんなことをしたら二度と君を二度と愛せなくなる、君と交われないじゃないか……君と幸せな家庭も……!
う、うぐぅ……! どうして、どうして! 私を受け入れてくれないんだ!
あは、あははっ……
いいや……もう、良い
んふ、ふふふ……ダメだった、だめ、ダメ……
どうしよう、結ばれたい、結ばれたいな…………
//場面転換
//ドア開け
やぁ、久しぶり
折角の休日を邪魔して悪いね
早速で悪いけど……捕縛させてもらうよ
なんでか?
……それは君が一番わかってるだろ?
いくつかの罪を犯したからに決まってるじゃないか
なに? そんな心当たりはない?
まぁ、いいさ
ちゃんと証拠は押さえたし、この私が証人であり、君を裁いてあげるからね
まず第一に……君が好いていたという女を殺した罪
第二に上官への反逆罪
第三に……ん? なにか?
殺してもいないしそんなことはしてない?
ははは……まぁ事実かどうかは私が判断することになっているからね
そして、君は彼女を殺したことも、上官である私の命令に逆らったのも、私が認めた
これから裁判にかけられるけど……あら、大変だねぇ?
君、放っておいたら死刑だよ? 大丈夫かな?
んふ、ふふふふ……
君が悪いんだよ、私の求愛を断るから
だからその事実を書き換えて、上官への命令違反に仕立て上げたのさ
それに彼女を殺したのは……まぁいいか
それも、結局は君が犯人だという証拠で私が報告しようとしているよ
……あ、わかったかな
まだ報告はしていないんだ
だから今なら間に合うよ……どうする?
私のモノになれば、君の罪は報告しないであげる
けど、君がもう一度逆らったら……次はどうしちゃうかわかんないね
ほら、どうする?
私の元で愛されながら暮らすか、
数日後には首吊りされるか……
あは、君には選択肢なんてあってないようなものだからねぇ♡
なんでもするよぉ……君を手に入れるためなら♡
んふふ……剣で君を脅してもなびかなかったのに、ペンを走らせた紙切れには屈服しちゃうんだね?
あはは……最初からこうしとけばよかった
それじゃあ、この婚姻届けにサインしてもらおっか
あぁ、これは特別な婚姻届けだから、普通のモノに一つだけ大事な文を追加しておいたよ
君は一生私に逆らわず、私以外の女に触れず、私だけに愛と忠誠を誓う……ってね
これはね、君の三つ目の罪を償うためだから、飲んでもらわないとね
//低音囁き
女の私からの告白をコケにして辱めた罪だ……一生かけて、体で償え
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