何度やってもヤンデレお嬢様としかマッチングできない

あら、あなたが私のマッチング相手かしら


本日はよろしくお願いいたします♪


……どうかしましたか?


あぁ、私のような人がマッチングアプリをやるのは珍しい、ですか


んふふ


まぁ、確かにあなた方から見ると、そう映るのかもしれませんわね?


けれど、私だって、絶対に意中の方とマッチングする自信があってやっていますから


どうかご安心なさってくださいね♪


それでは、あなたの疑問は解決しましたか?


あら、それはよかったです♪


それでは……


こちらの紙に、必要事項を書いていただけますかしら


あぁ、あなたはもう下の名前だけ、ここに書いてくだされば結構ですよ


……なにって、見ればわかるでしょう?


婚姻届けですよ


ん? どうかなさいましたか? きょとんとしてしまって


あぁ……プロポーズが嬉しくて、少し驚いていらっしゃるのね?


けど、これは夢だとか、イタズラだとかではありませんから安心してくださいね


わけがわからない?


んー、なにがわからないのでしょうか……?


だって、これから私たち、結婚するだけですよ?


あなたが私の元へ婿に来るだけで、なにか不都合でも……?


あれ、それとも、どこか本籍や住所、間違えていますか?


しっかりと調べさせたんですけれど……


そういうことじゃない?


ではどういうことですか?


……初対面の人と結婚できない?


あら、んふふ♪ おかしなことを仰いますのね


今どき、そんなことは些細なことですよ♪


昔なんて、そもそも顔すら知らない相手と結婚していたのですし……


あなただって、私の顔写真や職業、収入や家庭環境を見て、この子に……


//病み

つまり、私に会いたい、付き合いたい、色んな事がしたい、結婚したいって感じたのでしょう?


私だって、あなたのプロフを見て……


//病み囁き

絶対に逃がさない


って思ったのですから♡


さぁ、書いてください♪


そしたら今夜はどこかのホテルではなく、私の屋敷に帰って……


//甘く囁き

どろどろに愛し合いましょう……♡


帰る? どちらに?


……あら、そうですか、自宅に……


まぁ、そうですわね


そんなに焦らなくてもいいかもしれませんね


それでは、またマッチングして会えることを楽しみにしておりますわ


//低音囁き

……すぐに会うことになりますけれど


//場面転換


あら、またお会いできましたね♪


さぁ、婚姻届けにサインをしていただけますか?


……話? なんでしょう?


もう既に夫婦のような関係の私たちに、無粋なお話などいりますか?


//低音

ねぇ?


……まぁ、聞いてあげるくらいは致しますか?


でも、聞きたいこと、私は分かっていますよ


なぜなら、私はあなたを心の底から愛していますから♡


どうして私としかマッチングしないかを聞きたいのでしょう?


なんどやり直しても、どこのページへ飛んでも、何度も左へスワイプしても、いくら条件を変えて検索しても、挙句の果てには結婚相談所へ行っても


//囁き

私しか出てこなかった♡


そうでしょう?


//笑い捨てながら

陰謀だなんて滅茶苦茶なことをおっしゃらないでくださいな♪


//追い詰めるように

ぜーんぶ、運命なんですよぉ♪


//甘く囁き

私が、あなたを見つけて恋をして絶対に夫にすると誓ったのも、


//自慢げに囁き

私のお父様が、マッチングアプリや結婚相談所の会長だということも、


//低音囁き

あなたは私と結婚して愛し合う以外に、恋人もお嫁さんも作れないことも


こんなに私を拒絶するんですもの……


私、悲しくて、切なくて、もどかしくて、色々、溜まってしまって……


つい、女性インフルエンサーの皆様に、あなたのわるぅい噂を流すように頼んでしまうかもしれません……


もちろん実名で、顔写真付きで、定期的に流してしまいそう……


はぁ……まるであなたを想って涙してしまうように……


あることないこと並べ立てて、外に一歩出るたびに指をさされてしまうかも


ホントに刺されちゃうかも、ですね?


それに大家さんに出て行けって言われちゃうかもしれませんね♡


そしたら、私のお屋敷の前で、僕と結婚してくださいって惨めに土下座でもしてくださるのかしら……


//囁き

とぉっても男らしくってゾクゾクしますわ♡


//低音囁き

そんなに私とマッチングするのが嫌?


あはははぁぁ……


//怒り

何度も、何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も!!!!


//怒り

私を無視して、ブロックして、無しだとかほざいて、私を散々待たせてくれましたわね?


あなたは完璧に私とマッチするはずなのに……


//甘く囁き

性格もぉ……体の相性も♡


ですから……手始めに婚姻届けにはサインしていただくとして……


//低音囁き

徹底的に、私に合うように調教して差し上げます


えぇ、当然じゃないですか♪


愛する者同士、ぜぇんぶマッチしなきゃおかしいではないですか♪


本当は、私から合わせて差し上げようかなと思いましたけれど……


私……あなたを待っている間に、


//病み

愛情と、憎しみと、嫉妬と、苦痛と、絶望と、興奮が混ざってしまったようですの♡


最初から私の言うことを聞いていただければ、こんなことにはならなかったのに


//低音囁き

狂わせたのはお前ですからね


さぁ……参りましょうか♡


私たちだけのラブホテルへ♡♡

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