幼馴染を助けたのは、監禁でも拘束でもなんでもするヤンデレな彼女でした

あ、やっほー


授業お疲れ~


んふふ、君、凄い解放された顔してる


そう? って、見たまんまだよ?


全く~、どんだけ嬉しそうにするんだか?


……彼女さんとは、上手くいってるんだ?


なんでそんなことって、幼馴染の私だって気になるよ?


私の幼馴染が、女の子泣かせてないかな~ってね


そんなことしてない? んふふ、良かった


それにしても、急な話だったよね?


君から、気になる子がいるんだとかなんだとか言われてさ?


どうして私に頼るんだか……でも、まぁなんとか高嶺の花を掴めて良かったわね?


えへへって、なぁにくしゃっとした顔してんのよ~~っ!


なんかムカつく~……


で、大丈夫なわけ? これからの予定とか


ダメよ? 手に入れただけで満足しちゃ


ちゃんと女の子をドキドキさせてあげたり、男らしく頼れて、キュンってできるポイントを一杯増やさなきゃなんだからね?


//囁き

えっちなことだけ考えてたらダメなんだからね?


あーっ、真っ赤になってる!


もしかして、ほんっとうにそういうことしか考えてなかったわけ?


サイッテー……


んふふ、冗談よっ


けど、本当にダメだからね?


彼女の体だけじゃなくって、こう、心まで包んであげなきゃなんだから


面倒くさい? そういうモノよ?


あれ、そういう覚悟があるから、私は君の恋路に手を貸してあげたんだけど?


もぉ~、しっかりしなさいよ~~


なんか心折れそうって、彼女の前で言っちゃだめだよ?


ちゃんときっちり! 紳士で、優しく!


女の子はスマートに、さいっこうにエスコートしてあげなきゃなんだからね?


はぁ……全く、どうしてこんなのを手伝っちゃったんだか……


ねぇ、君、本気なんだよね?


本気で、あの子のことが好きなんだよね?


なら、全部本気でやらなきゃだめなの……


そう……全部、本気で……あの子を愛さなきゃ……ね?


//ふらつき

//以下、少し口調変わり


あぁ、ごめん……ちょっと、ふらついちゃった


あ、大丈夫、なんでもないよ


それより……そんなに不安ならさ


ウチに来ない?


そ、久しぶりに


なんでって……


//囁き

ここでは教えにくい、女の子のコト、教えてあげるから


それとも……恋愛、長続きさせたくない?


させたいよね


なら、迷ってないで、ウチにかえろー♪


//場面転換


お、気が付いたかな


んふふ、おはよ


早速で悪いけど……手足は縛ってるから、もう動けないからね


あはは、口もだよ、当然♪


変に叫ばれちゃったら面倒だからね


それじゃあ、早速いただきまぁ……


んー、なんだい? うーうーうるさいよ?


僕だよ? 幼馴染の僕


何を怖がってるのかな?


なんにもないよね? ってか、君はここにも来たことあるでしょ


なら、大人しくしててほしいんだけど……


もしかして、気付いた? ぼくのこと


……ふふっ、驚いた顔しちゃって……嬉しいなぁ、僕に気付いてくれて♡


そ、僕は君の幼馴染じゃないよ


正確には、君の幼馴染の人格じゃない……もう一人の僕


ふふ……なんで僕なんかがいると思う?


それはね……君が彼女を……僕を愛さなかったから


彼女は苦痛だった……大好きな君を、他の女とくっつけるためにあれこれ助言したり、助けてあげたりするのがさ


だけど、大好きな君の為だから、手伝ってあげてたんだ


献身的だね? まさに、真の愛だよね~♪


美しい愛だよ……


けれど、君への恋心は隠さなきゃならなかった……


でも、隠そうとするたびに胸は痛んだ、苦しんだ


どうして目の前の彼は、私のことを好きじゃないんだろう


どうして好きな人が他人に告白するのを、手伝わなきゃなんだろう……?


押し殺した恋心は、どんどん変色していって、蝕まれて、腐って、淀んで、黒ずんで……


そして……僕が生まれたんだぁ♡


僕は、君への歪んだ恋心から生まれたんだ……その意味は、分かるよね?


おかしい?


……おかしいわけないだろッ!


さっきだって、おかしいと思わなかったのかい?


君が苦労して手に入れた彼女と付き合うことがどれだけ大変かを語ってたでしょ?


あれ……実は、彼女が別れさせたいから言ってただけなんだよねw


君がいずれ、付き合うのめんどくさいなって思ってくれて、幼馴染の元に帰って来てくれたら凄く嬉しいんだよ


荒んでるよね


でも、僕は彼女の気持ち、わかるよ


まぁ、彼女の二重人格だからって言うのもあるけれど……


それよりも……君を憎らしいくらい、愛してるから♡


でも、彼女は君を手伝うくらい優しかった……君の喜ぶ顔が見たくて、自分の悲しい気持ちを押し殺してた……


でも、僕はそういかないよ


僕は、そんな優しさなんて欠片もないからね


……君を無理やりにでも手に入れる


まぁ、良いじゃないか、少しでも憧れの女の子と付き合えたんだから


代償に……君の魂を、彼女に捧げるね


なに? 怒ってるの?


良いよ別に? でも、僕は彼女みたいに優しくないって言ったよね?


君が、私に、僕に、永遠の愛を誓うまで……


痛めつける?


快楽に溺れさせる?


僕に媚びるまで徹底的に調教する?


それとも洗脳が良いかな?


手段なんかどうでもいいんだよね、はっきり言っちゃうとさ


だって、君が僕を愛してくれさえすれば……私のモノになってくれれば、どうでもいい


まぁ、なんにせよ……


//低音

今まで僕を悲しませた分だ、覚悟しろ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る