ヤンデレ吸血鬼義妹「入れてよ、お兄ちゃん…」

お兄ちゃん?


おーにーいーちゃーんー?


部屋、いれてよぉー。


ねーえー、なんで入れてくれないのー?


お兄ちゃんのこと、だぁーいすきな義妹だよぉ?


可愛い義妹でしょー?


さっきまで、私のこと、可愛い可愛いって言ってくれてたじゃーん。


あーっ、お兄ちゃん、さては義妹の私に言えないことがあるんだー?


お兄ちゃんのお部屋、何があるのか私も見てみたいなー♪


私に見せられないものかな?


女の子に見せられないものなのかな?


それともぉ……義妹の私に、見せられないものでもあるの?


んっふふ♪


そんなの、私、気にしないよぉ?


べっつにぃ、今まで何年も一緒に生活してきたじゃーん。


お兄ちゃん、気づいてないかもだけど、


私、お兄ちゃんのいろんなこと知ってるよ?


他人には言えないコト…


独りでこっそり、楽しんでるコト…


いいんだよ?


私には、ぜぇんぶさらけ出しても…。


私は、お兄ちゃんを受け入れる。


だって、お兄ちゃんのこと、大好きなんだもん……


だから、お部屋に入れて?


私を、受け入れて?


……ねぇ、どうしたの?


お兄ちゃん、ちょっとおかしいよ?


なんで家族なのに、私を締め出すの?


酷いよ……


お兄ちゃん?


私ね……お兄ちゃんのことが、大好きなの……


ううん、家族とか、お兄ちゃんとしてってことじゃなくて、


その……お兄ちゃんを、愛してるの……


ほら、私たち、血がつながってないでしょ?


だから、だれにも邪魔されずに恋愛ができるんだよ?


普通に恋して、普通に結婚して、普通に二人だけで暮らすの……


ふふっ、二人の子どもだって作っても、いいかもね……?


ううん、ごめんね?


私の想いだけ、こうやって押し付けちゃって……


でも、ちゃんとお話、したいな?


こんな、ドア越しなんかじゃなくて、直接……


だからぁ……お願い……お兄ちゃん……!


……入れて、くれるの?


良い?


……んふふ……ありがと、お兄ちゃん……♪


(押し倒される)


んふふ、やぁっと入れてくれたね、お兄ちゃん?


涙の跡がある……ちょっと泣いてくれたんだ、嬉しい♪


お兄ちゃん、知ってるかなぁ。


吸血鬼は、招いてくれないと入れないって。


だから、自分のお部屋に逃げ込んだんだろうけどさ……


可愛い義妹のことは、すぐに入れてくれたね……?


さっきあったこと、もう忘れちゃったのかなぁ?


お兄ちゃんのこと、無理やり眷属にしようとして逃げ出したのに、また押し倒されちゃうなんて♪


話し合い?


そんなのしないよ~?


だって、大好きなお兄ちゃんの首に、かぷっとやっちゃって眷属にすれば、そんな面倒なことしなくたって分かり合えるでしょ?


違う?違わないでしょ?


お兄ちゃんは、私のお兄ちゃんなの!


だから、お兄ちゃんも抵抗せずに受け入れてくれると思ったのに……


吸血鬼の私の眷属だよ?


嬉しがってよ!受け入れてよ!


お兄ちゃん、すぐふらふらして、私のこと考えてくれなくなるんだもん……


ダメだよ……嫌だよ、そんなの……


んふふふふっ……別に、もう今のお兄ちゃんの言うことなんか、もう聞かないもんね。


私の眷属になったら、またもう一回、ちゃんと「話し合おう」ね……


大好きだったよ、眷属じゃないお兄ちゃん……


はぁ………んむ…………

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