ヤンデレ九尾「あなたはもう、逃げられないんだよ」

……ほら、起きて……


起きて、旦那様……


もぉ……♪


私の尻尾が柔らかいからって、ずぅっと枕にして……


あ、起きた。


おはよう♪


ひゃあっ。


……そんな飛び起きても、何も襲ってこないよ?


ここは私たちの屋敷なんだから、心配することなんてないよ。


だから、落ち着いて?


こっちにおいで……ね?


そんな隅で丸くなってないでさ。


ほら、足を動かして、こっちへ来なさい?


……んー、よしよし、いい子いい子。


素直になってれば、こうやってやさぁしく、なでなでして甘やかしてあげるからね。


(低音)こうやって、私が操らないと来れないなんて、まだまだ調教が足りないかなぁ。


あれあれ、なんか震えてるね?


あはは、私、怖かった?


なんで怖いのかな?


ねぇ、なんで?


分からないのかな? それとも……答えられない?


じゃあ、理由もないのに怖がるの?


……怖くない? 優しくてうれしい?


そっかぁ、よかったぁ。


ね、じゃあ膝枕と耳かき、してあげる。


え? どうしてそんなすぐに遠慮するの?


いいじゃん、最近してないでしょ?


お耳が汚れだらけになっちゃったら、よく聞こえなくなっちゃうよ?


(囁き)それに、もしかしたらお耳が聞こえなかったから、私の言うことも聞けないのかな、と思って。


違う? 本当かなぁ。


さっきの行動じゃあ、そう思えないなぁ。


そ・れ・に~。


(低音)そんなに私のこと、信用できない?


(低音)信用できない、かな?


うふふっ、やったぁ。


じゃあ、だんな様のお耳掃除、やってあげるね。


ほら、私のお膝に、寝っ転がって?


うん、いいね。


大丈夫?頭、痛くないよね。


さ、まずは右耳から、やっていこうね。


んー……見たところ、やっぱりお耳は詰まってそうだから、しっかりやっていくよ。


(以下、右耳に耳かき音追加)


ね、どう? 久しぶりの耳かきは。


それに、私の初めての耳かきだよね?


(低音)こうやって、私に命を握られてる感覚、ゾクゾクする?


んふふ、いきなりなんだって?


だって、そうじゃない?


(囁き)このまま、耳かき棒を、あなたのお耳ふかーくに突き刺したら……。


んふふ……そんなことしないだろって?


でも、どうだろうねぇ……?


(数十秒沈黙)


そういえばさ、


あなたがここにきて割りと経つけど、


ここでの暮らしはどうかな。


楽しい?居心地いい?……嬉しい?


だよね……この状況じゃあ、うんうんって、頷かないとだもんね。


ねぇ、こういう、自分の命が握られてないと、


あなたは夫の真似事さえもやってくれないんだね……。


それは、ちょっと悲しいけど……


まだ、それでいいよ。


んふふ、私にだって、考えがあるんだから。


(数十秒沈黙)


あらかた取り終わったかなぁ。


次は、ふわふわ梵天で~。


(梵天音、数秒沈黙)


(梵天止め)


はい、綺麗になったね。


(囁き)どう? 私の声、よく通るようになったかな?


さ、仕上げをしましょ。


なんだ、って?


まぁまぁ、うごかないでー……


(耳吹きかけ)ふぅー……


んふふ、くすぐったかった?


でも、ホントは気持ちよかったでしょ?


んー、よろしい♪


さ、次は同じこと、左耳でもやってあげるから、


くるっと回転して~。


んふふ、いい子、いい子♪


素直でいい子には、頭をなでなでしながらの、


カリカリ耳かきのご褒美だよ~。


(以下、左耳に耳かき音追加)


こっちのお耳も、しっかりたまってるね。


よくない垢は、ちゃんと取り除きましょうね~。


うんうん、綺麗になっていく感じ、分かるよね~。


(囁き、低音)このまま、いっそ、頭の中も綺麗にしちゃおっか?


(囁き)頭の中、空っぽにして、


(囁き)未練とか、複雑な感情も、全部、ぜぇんぶ、


(囁き)汚いもの、綺麗に取っちゃおうよ?


(囁き、低音)従順で素直なだんな様なら、受け入れてくれるよね?


だから、まずはこの耳かき棒でさ、


あなたの頭から、要らない記憶をかき取って……


これから、わたしとだけ、愛を育むの……。


んふふ、そんなに震えちゃって……


震えてたら、本当にイケナイところに刺さっちゃうよ?


ほら、がまん、がまん……


(数十秒沈黙)


ん、半分くらいは綺麗に取れたかなぁ。


でも、まだまだやっていくから、さっきみたいに動いちゃだめだよ。


(囁き)本当に、危ないからね?


私のだんな様だから、ちゃんとやってあげてるけどぉ……


(囁き、低音)あなたは、本当に、私のだんな様かな?


んふふ、私も変な質問、しちゃったね。ごめんね。


でも、聞いておきたいんだ。


あなたの、心に、直接。


ううん、あなたの口からはいいの。


だって、お口は、お世辞だったり、私の嬉しいこと言ってくれるけど。


本心じゃないのも、混じってるもんね。


先に、あなたが本物のだんな様じゃなかった時のこと、教えてあげる。


まぁ、別に本来は言う必要がないけど、特別に……ね?


あなたも知ってる通り、ここは普通、人間が立ち入らない、私たち狐の桃源郷。


だから、ここに迷い込んだ人間も、連れ去った人間も……


どんな理由があろうと、人間は私たちのただの餌。


魂まで、ぺろりと平らげちゃうよ……♪


まぁ、そもそもー……フホーシンニュー? だっけ。


だから特に問題ないよね。


でも、当主である私のだんな様は、子供のころから結婚を約束していた人間。


だから、この人間だけはトクベツ……。


永久に私と添い遂げることを約束された、私のお婿さん……♡


(一旦、耳かき中止)


こほん。


さてさて、前置きは長くなっちゃったけど、あなたは……、


(囁き)小さいころから約束していた、私の愛しのだんな様?


(囁き)それともぉ、私のぉ、おいしいごはん……かなぁ……♡


むむーっ……。


んふふっ……んふふふふふふふふふふふふふふ…………♪


(囁き)だ・ん・な・さ・ま♡


嬉しいよ……♡


そんなに大好きですぅって心で連呼されたら、許しちゃうじゃない……♡


いいよ……これからも、永遠に、この屋敷で添い遂げようね♡


……おっと、じゃあ、耳かきの続き、してくね……♪


(耳かき再開、数十秒沈黙)


(耳かき音止め)


ん、これでよし。


さ、こっちも梵天で、うりうりやってくよ~。


(梵天音)


うり……うり……


んふふ、お嫁さんの尻尾みたいなふわふわ、きもちい?


きもちいーよねー♪


それ、それっ、とぉ。


よしっ、左耳も綺麗になりましたぁ、ぱちぱち。


さて、だんな様。


(囁き)お待ちかねの、ふぅ、やっちゃうよ。


(囁き)いくよー……。


(吹きかけ)ふぅーーーーー……


(吹きかけ)ふぅーーーーー……


……ど?


二段階でふぅふぅしたから、ちょっとびっくりしたでしょ?


これはぁ、あなたが、ちゃんと“だんな様”になった、ちょびご褒美♡


悪くないでしょ。


これからも、こうやって私を愛してくれれば、ちゃあんとご褒美あげるし、私もいっぱぁい、だんな様を愛して、二人ともが愛し合うから、ステキな関係になれるの。


だ・か・らー……


これからも、心の中でも“大好き”って、言い続けてね♡


(囁き)だんな様……♡

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