ヤンデレ吸血鬼「きみの初めては永遠に私のもの」

やぁ、また保健室に来たんだね。


いやいや、別に謝らなくても。


真昼間だけど、この時間はほとんど誰も来ないしね。


私も、この真っ白い肌のとおり、病弱だからね……話し相手が来てくれて嬉しいよ。


先生もなし、気にすることなんかなし。


で、その様子だと……まただよね。


そりゃあ、毎回毎回そんなんじゃあ分かるよ。


で、どんな振られ方をしたわけ?


……うん、うん……。


あー、まぁ、それは相手が悪いよね。


きみがせっかく勇気だしたのに、そっけなく振ったなんて。


ま、でも私がするアドバイスはいつも同じだよ?


この学校に、きみを分かってくれる人はいないんじゃないかなぁ?


ふふっ、冗談冗談。


で、お昼時だから、私のお弁当、食べに来たんでしょ?


いいっていいって、


ってか、いつもそれ目当てで恋愛相談、来てるよね。


んふふっ、お腹も鳴ってるから、食べよ?


いつもみたいに、私のベッドに腰かけて、さ。


……ほぉら、今日も私の力作お弁当。


さ、慰めに、私が食べさせてあげよう。


……なに?いやだって?


はぁ、まぁいいけど。


(小声)私の弁当さえ、食べてくれればいいからね…。


……あ? あぁ、何でもないよ、お食べ。


……どうしたの?


お箸、止まってるよ?


食べ盛りなのに、よくないなぁ。


……あれぇ、味付け失敗しちゃったかなぁ……


違う?


どうしたの?


もう一個相談したいことを思い出した?


ふぅん……それで?


私が、女の子に振らせてる……?


なにを言うかと思えば……流石に逆恨み過ぎないかい?


それに?


私に血を吸われているところを思い出したぁ?


……………………はぁ。


どうやら、思い出しちゃいけないことも思い出しちゃったみたいだね。


いいよ、聞かせてあげる……けど。


(覆いかぶさる)


このまま、まずは君の血を先にいただいてからにするね。


力じゃかなわないことも覚えてるでしょ?


それじゃ、


はぁ…………む。


(吸血)


ん……じゅるっ……


今日もいい味でした、ご馳走様……♪


どうせ、もう血を吸われて動けないんだから、そのまま聞いてなよ。


まぁご明察通り、女の子たち……いたいけな処女たちは、もう私の支配下で、


私の思いのまま。


そして、そんな処女たちに振られ続ける君は、


自分から血を吸われに来てるの。


段々思い出してきた?


ま、どうせ後でまた、催眠をしっかりかけなおして~……


んふふ、次はどんな”きみ”にしてあげようかな。


……ん? おれをどうするのかって?


なに?


もしかして……


(囁き)私がきみをからっからになるまで襲い続けるとでも?


ふふっ……まぁ、そんな期待を抱いちゃうのも、仕方ないよね。


でも……私はそんなこと、絶対にしない。


そして、他の女の子にも、ぜーーーーーったいに、させない。


(囁き)君は、私のために、ずっと初めてを卒業できないんだ。


なんでって……知らないかい?


処女の血はおいしい……それの男バージョンだよね。


私は女だから、処女の血はもちろんだけど、君の方がよぉっぽどおいしかったんだ……じゅる……♪


んっふふ。


だから、君の初めては永遠に私のもの、だよ?


でも、ただ吸うだけじゃ、しょうがないから、


私がさっきみたいに、少しはお世話してあげてたわけ。


だから、前よりももぉっと、君の血はおいしくなった……。


あ、貧血で、もう意識も薄くなってきちゃったかぁ。


じゃあ、眠る前に、私の目を見て……。


紅く光る瞳に、意識を任せて……。


うん、いい子だね。


きみは、今日のことはぜぇんぶ忘れて……


これから、新しい君になるんだ……。


そうだな……


事実上は全部私のものだといっても、


毎度毎度、きみの失恋話を聞かされるのは、もうたくさんだ……。


だから、きみを丸ごと変えよう……。


君は、私に片思いしている可哀そうな男の子……


恋心はあふれるけど、絶対に想いは伝えられない……


恋も、いつまで経っても成就しない……。


だけれど、君はわたしと一緒にいれるだけで幸せなんだ……


いいよね……男としてはだめでも、私と一緒にいられるから……


うん、もう目を閉じていいよ。


夢の中で、私の言葉を反復し続けてね……


眷属さん……♪

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る