第2話 目覚め

少しだけ冷たい風を感じてコロは目を開けた

いつもはゴトンゴットンという音で目覚めることが多かったが

今日は違っている


霧にかかった先に

じっとコロをみている何かがいる


コロは開けた目を再び閉じた…

あれはなんだ

記憶をたどる…

洞穴にそそぎこむ風を背中で感じながら…



コロは強い風をさけながら

知らない町を歩いていた。

川の畔についた時、暖かい風なのに、経験したことのないような嫌な感覚がよぎる


次の瞬間、奴はきた

薄気味悪い笑みをうかべながら、鋭い牙がコロの頬に刺さった


コロは倒れた

意識が薄れる中で奴の顔をみた

何故かコロにそっくりな姿形をしている

どこかで会っているきがする…

コロの意識は完全に途切れた



コロをは目を開け、自分をみている何かをみた

奴だ…


「まだわからないようだね、わたしを忘れたの?コロ…」


コロは思い出せない

でも感じていた

おもいだしたくないと…


「ずいぶんだね…あんなに約束したのに…」


コロは何故か震えた。傷ついた頬のキズからでた血を全て吐き出し逃げようとした。

身体は全く動かない。

全てを捨てたコロには何も恐いものは無かったはずだが、震えが止まらなかった。



コロの震えはとまらない…

頬の強い痛みが、わずかに恐怖をやわらげていた

だか驚異的な回復力を持つコロにとっては命を無くすほどではない

痛みが和らぐ度に恐怖感がましていた


奴は、赤い目から血の涙を落として低く小さく、唸った

「死ねなかった…憎い…憎くて…憎くて……コロ…殺したい…」


奴は唸り、血の涙、憎しみの血をぽたりぽたりおとしながら近寄り、喉元に牙をあてた

コロは死を覚悟した


「殺さない…死なせない…これで思い出させてあげる…死より苦しめ…」


牙を少しずらし深く噛み、飛び散る血を舐めあげた


その瞬間、コロの魂は強い光と共に浮き上がり、次元を飛んだ

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コロの叫び @tanishi777

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