旅に国境はないのかな

好き乙女の心

第1話

ある年の12月初め母娘はふたりだけの女子会を兼ねて二泊三日の旅に出た。

一泊目に選んだのはふたりが頻繁に通っている港町。

海の大好きな母と美味しい物が好きな娘は港が目の前に迫り来るホテルでのランチを楽しんで来た。

そんなわけもあって真っ先に候補にあがった港のホテルに宿泊する事となり二泊目ね場所を決めるにあたり母親の希望もあり夏の避暑地でも有名でかつ海外からの観光客で賑わう避暑地でのホテルに宿を取る事となった。


一泊目のホテルで部屋に通される時

ベルボーイは母娘の荷物を部屋に運んで部屋に入ると床へ荷物を落としてしまった。

「お客様。大変無礼を致しました。

大変申し訳ございません。」

「いいのよ。大丈夫ですから。誰でもある事です。」

ベルボーイは深々と頭を下げと二人の

部屋を小走りに去って行った。

部屋は贅沢にもツゥインのデラックス

まずは窓のカーテンを開いて息を飲んだのは目の前に広がっていたのは海。

一艘の船丸ごとレストランされた大型船が目に飛び込んで来た。

一度も船内には入った事はなく外回りから船内の様子を眺めるに過ぎない船は土曜日日曜日に限らず賑わっていてランチコースでもなかなか予約の難しい船内レストランだと噂している。

その船がまさに目に飛び込んで来たのだから目が点になるほどの驚きだ。


トントン!ドアを叩く音に気づいた

ふたりはドアの前に場所を変えると

「はい!何方でしょうか。」

「フロント係りでございます。先程は手前の者が大変失礼をしましたようでお詫びに参りました。」

ドアの鍵を外しドアを開けると紳士的なホテル側の人は手に何かを抱えて

立ちすくんでいた。

「ただいまの…」

「お入り下さい。」

部屋に通されたホテル側の人は話を

続けていった。

「先程は大変申し訳ありません。

何か不始末をし出かした様で。」

「なぜその事をこ存じで…」

「はい。手前どもはお客様に何か失礼

した場合は上司に報告するように指導を出しています。先程のベルボーイも私に報告して来ました。

お詫びをさせて頂きたいのです。」

「お詫びなんて大袈裟な事を。」

「失礼とは存じますがここの部屋に

付いていないスィートルームで使用

されているアミュニティーです。

宜しかったらお使い下さいまし。」

「大丈夫です。この部屋の備え付けの品を使わせて頂きます。」

「私の立場がございますので。」「分かりました。そこまで仰有るのでしたらスィート使用の品を頂きます。」

「二種類からお選び下さい。」

母娘は二種類の品を丁寧に選んでいった。パッケージも成分もメーカーも

全く違う二種類だった。

ブランド物好きなふたりは海外の製品の品を選んでいた。

流石パッケージもハイカラなデザインなっていてアミュニティーには見えなかった。暫くは世間話を交わしてホテル側の人は部屋を出て行った。

話の途中でそのホテル側の人は

「自分は課長しています。ベルボーイとフロントをひとつとして課長の

任務に就いております。」身分を伝えていった。


日没後に外へ出ると慣れ親しんだ街中の散策を始めた。今までは自宅へ帰宅しなければいけない関係からあまりも遅くまでここの港町にいられなかった為に今回は帰宅しなくてもいいと言った安堵から端から見て伸び伸びしたふたりに映っただろう。

倹約家のふたりは豪華なディナーをホテル隣接のイタリアンレストランで

夕食を取ればいいのに外へ散策の時に食事パンに飲み物にサラダを部屋に戻ると備え付けの大型テレビで全国共通に映る番組を観ていた。

滅多にないホテルでのディナーを楽しめばいいのに。と周りの人々は噂をするだろう。


深夜の12時を過ぎてもお泊まりに緊張からなかなか寝付けないふたりはホテル内の探検へ出掛けた。

何度もランチに立ち寄るホテルでもこのようにゆっくりした時間はないので探検は初めであった。

深夜のホテル内は昼間の賑やかが嘘のように恐ろしいほど静かであった。

音と言えばベルボーイやフロントでの人の声や歩く足音だけがホテル内に

響き渡っていた。

歩き疲れたふたりは部屋へ戻りベッドに腰かけると

「ふわふわだねこのベッド。流石は

一流老舗ホテルだね。」家のお布団と大きな違いだよ。」

娘はベッドに腰かけるとまるでバネのような動き出して幼稚園児のようにはしゃいでいた。

明日は午前の列車に揺られて夏の避暑地へ向かって出発するには徹夜は出来ない事だけはふたりは分かっていた。

「何時まで起きていられるか競争しようよ。一応ベッドに入ってさ。」

娘の勝ち誇った姿にあどけなさを感じてふたりはベッドへ入り明日のホテルまでの過ごし方を話し合っていた。

何時に寝てしまったのかお互いに気づかないほど自然に眠りに落ちていたようだ。


明日は長年の憧れでもある有名な老舗

ホテルでの宿泊になる。

皇族たちや文壇の人々や著名人そして

海外からの知名度の髙い人々の宿泊や停泊する事で名の知られているホテル宿泊に心は弾む。

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旅に国境はないのかな 好き乙女の心 @kotobuaicute_08

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