ツンデレ美少女のお姫様が俺を異世界に召喚した件について
カポーーン。
嫌よ! 絶対に嫌!
あんな魔王の嫁にさせられるなんて!
きっと、あんなコトやこんなコトさせられて辱められるんだわ!
くっころ!
いやいや、違うわね、これじゃ女騎士とオークじゃない。
私はこの国のお姫様、今は病気のお父様に代わって主君代行も勤めているんだし。
でも、いったいどうしたら……。
って、もうこうなったら、伝説の勇者を召喚するしかないわ!
我が国王家の血族のみに伝わる召喚術って言うけれど、
いったいどうやって使うのかしら……。
アアン! もう! こうなったら誰でもいいから助けてよ!
「出でよ! 勇者よ!」
なんちって。
ザブーーン。
「ぷはぁぁ! え⁉︎ なんだここ?」
……え?
「…………」
「…………エェ〜〜〜‼︎」
黒髪! 黒目! まさにこれこそお祖父様から聞いてた伝説の通りじゃない!
「ちょっとアンタ! この私が召喚してあげたのだわ! そう! だからアンタは伝説の勇者ってことよ! ドーユー・アンダースタン? さあ! そうと決まれば魔王を倒しにレッツ・トライよ! ちなみに魔王だからって、リトライはできないんだからね!」
「え? いや、ちょっと、ちょっと……待って、待ってくれる?」
「何よ! アンタまさか私の言うことが聞けないって言うわけ⁉︎ 私はこの国のお姫様なのよ! 主君代行なの! エラいのよ! だからアンタに拒否権はないの! さあ、その少なそうな脳ミソでも理解できたなら、今すぐ私をどうにか助けなさいよ! お願いします‼︎」
「いやいや、その魔王とか勇者とかっていうのも、まだ状況が良く飲み込めてないんだけど、あぁ? これアレか? 異世界召喚とかいうヤツだな、、、たぶん」
「そうよ! そしてどうせアンタは最初は外れスキルだとかレベルが上がらない役立たずとか取って付けたような、なんちゃってハンデがあっても、結局はチート持ちの俺Tueeeで魔王軍を軽くひねって蹴散らしてくれるのだわ! さあ! はやく伝説の調味料マヨネーズを作るのよ!」
「え? この世界の魔族ってマヨネーズに弱いの?」
「そんなわけないでしょ! アンタばかぁ⁉︎」
「じ、じゃあ、なんで?」
「知らないわよ! それが初級クエストってもんなんでしょ⁉︎ もっと勉強してきなさいよ! それでもアンタ勇者なの⁉︎ あっ それとついでに言っとくけど、残念ながらこの世界にはウサ耳の女の子もネコ耳で語尾にニャンってつけるメイドもいないからね! だからご褒美にハーレム頼まれてもお応えはしかねるわ、お生憎さま! オホホホ……」
「んな⁉︎ なんだって! それじゃあ異世界に来た意味が九分九輪もう無くなっちゃうじゃん!」
「その代わり、ちゃんと魔王を倒せば私と結婚してこの国を納めれるという残り九割一厘の理由があるわよ! なに? アンタみたいなモブ面が私みたいな美少女と結婚できるチャンスなんて前の世界だったらワンチャンだってあり得なかったんだからね! なんなら土下座でもして感謝しなさいよ!」
「い……いや、いちおう向こうの世界でも、俺には勿体ないような彼女と付き合ってたんだが……、それにまぁ、ご褒美はある意味もう貰っているというか、ご馳走様というか……」
「はぁ? ご馳走様ってどういう意味? 私はお姫様よ?」
「と……とりあえず、お姫様、何か着るか、前隠そうか? いろいろと見えてるから……」
……え?
カポーーン。
「…………」
「…………」
「…………」
「ハハハ……、でも何で俺、君がお風呂で入浴中のところなんかに召喚されちゃったんだろうね?」
「キャーーーーーー!!!! 変態! 痴漢! ケダモノ! アンタなに見てんのよ! さっさと出て行きなさいよ! 誰かーーー!!!」
我が一族が勇者を召喚するには術者が全裸のときしか発動しないことを知ったのは、それからずっと後のことだった。
くっころ!
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