ツンデレ美少女の彼女が俺に心理テストをしかけてきた件について
おかしい。
おかしいわ!
こんなの絶対におかしいわ‼︎
なんでこの私がこんなモブ男と付き合ってあげてるっていうのに、この男ったらいつも平然としていられるのかしら?
たまに人の顔見てヘラヘラ笑ったりして。
こ、ここ恋人なんだから、もう少しドギマギしなさいよ……!
そ、それで、少しはスキンシップっていうか……、ちょ、ちょっとぐらい、手とか握ってきなさいよ!
べ、べべ別に、私があんたと手を繋ぎたいなんて思ってるわけじゃないんだからね! 勘違いしないでよね!
ま、まぁ、あんたがどうしても繋ぎたいっていうなら、そ、その……、繋いであげたってよくてよ? まぁ、一応私たち付き合ってるわけだし〜。
そ、そうよ、あんたがあの日、私に告白してきたんだからね!
あんたのほうから告白してきたんだから!
ふぅ、大事なことだから二回言っといたわ。
あ〜、もう、あんな恥ずかしい告白されたら思い出すだけで耳まで赤くなっちゃうな〜。あ〜、もう、ほんとに思い出すだけで……。
って! なんで私のほうがドギマギしてんのよ!
まったく!
あんたが、こんな美少女の私と付き合えるなんて奇跡なのよ! ほんと、良いご身分よね⁉︎
ほんと、わかってるのかしら?
ねえ?
ドーユー、アンダースタン?
わ・か・っ・て・る・の・か・し・ら?
もう!
まぁ、いいわ。
今日こそ用意してきたこの心理テストであんたの心を丸裸にしてあげちゃうんだから。
ん? 丸裸……。
……
ボッ!
心よ! 心の話なのよ! もう私ったら何考えてるのかしら⁉︎ 馬鹿ね‼︎
オフン! じ、じゃあ、気を取り直して……。
◇◇◇
ねぇ? ちょっと今から心理テストしてあげるから答えなさいよ。ちなみにあんたに拒否権はないからね
えっ? ヤベー今日一夜漬けしてこなかったって? 心理テストにそんなのあるわけないでしょ! 何ふざけてのよ、馬鹿!
はぁ? じゃあ赤点でも補習はないんですかって? そ、そうね〜。そんなに受けたいって言うんだったら考えてあげなくもないかしら? ってあるわけないでしょ! ちょっとあんた人をノセるんじゃないわよ! 生意気ね‼︎
え? 合格したらご褒美はあるんですかって? 心理テストに合格も不合格もないわよ、はぁ〜、あんたほんとバカァ〜?
ま、まぁ、ところで、ちっ、ちなみに、そのご褒美っとやらは、……どんなことがご所望なのかしら……?
……ばっ、馬鹿ね! あんたみたいな盛りのついた犬みたいな男の願望なんてきいてあげるわけないけど、一応参考に聞いてあげてるだけなんだから、そんな期待した目でワクワクしてんじゃないわよ!
ったく……、どうせろくでもないこと……って、え……?
もう、付き合ってるんだから、たまには手を繋いで帰りたいって?
し、ししし、しょうがないわね〜! そんな迷子の犬みたいな目で言われたら、優しいこの私が、ねぇ? ま、まぁ、きいてあげなくもなくないわねぇ〜。まぁ、とりあえずテストに合格したら考えてあげなくもないかもね〜〜
オフン! じゃあ、というわけで、さっそく心理テストいくわよ!
◇◇◇
あなたは恋人の家に遊びに来ています。今丁度、恋人が「お茶入れるね」とキッチンでお湯を沸かしているところです。さて、そのお湯はどれくらい沸いているでしょうか?
A グラグラ沸騰している
B そろそろ沸騰しそう
C ぬるま湯くらい
D まだ水のまま
ふふん、この心理テストではあんたが恋人をどのくらい好きなのかが分かるのよ。まぁ、簡単に想像つくでしょうけどね。
ま、まぁ、B以上なら、おまけで合格にしてあげようかしら?
で、でも、まぁ、暑苦しいのもアレだから、Cでもギリギリ良いかしら……ね?
ま、まさか! いくらなんでもDってことはないわよね⁉︎
も、もし、そんな答え言ったら絶対補習よ! 補習‼︎
「……」
「あ〜、まぁ、なんだ。まぁ、素直に言うとだな……」
ゴクリッ……。
「答えはAだ」
パンパカパーン♪♪
正解よ!!!
や、やるじゃない! 合格だわ⁉︎ もぅ〜、しょうがないわね〜。この男ったら〜
「っていうか、俺、この心理テスト知ってたわ」
あらあら、そうなの〜? まぁ、ますますしょうがないわね〜、フヒ
「これって恋人が実は自分のことをどれだけ好きかが分かるんだよね。確か」
そうそう、お湯の温度がその想いの強さに比例するってわけよ〜
「つまり、君が俺のことどれだけ好きかってことだよね」
そうそう……って、え?
「えって? ほら、スマホで確認してみなよ。ほんとにそうだから」
え? えっ? えぇ?
……
……
え〜〜〜!
や、ややや、やらかした〜〜!!
何? なに? え⁉︎ それってどういう⁉︎ それって〜!
「じゃ、まぁ、合格ってことだから、遠慮なく」
ち、ちょ! あんた! 何、勝手に手繋いでんのよ! ちょ、ちょっと!
「え〜? いいじゃん? このまま手繋いで帰ろうよ?」
ででで、でもっ⁉︎ でも!
……
……
……
「俺のこと、嫌い?」
……
……
……
……
しゅき……♡
ー了ー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます