第100話合点承知の助
そういうとアンナから悪戯が成功したような笑い声が聞こえてくるではないか。
「も、もうっ! わたくしはもうあの時のような子供ではございませんわっ!」
「さぁ、それはどうでしょう。 ささ、お出かけの準備に戻りましょう。 今日は起こそうと思っておりました時間より早く起きてくださったので地味に助かってます」
「そう思うのならば先程のような意地悪を何故したのか気になりますわね」
「それはあれですよ。 私なりの愛情表現ですよ。 マリー様好き好きーって奴です」
「本当かしら? そう簡単にわたくしは騙されませんわよ?」
「ほら、男の子も好きな女の子には悪戯したくなるっている、あれですよあれ」
「まったく、おべっか上手というかなんというか……」
まぁ、好きと言われては嫌な気はしないのも確かなのでこれ以上は追求するのを止める。
「なんだ? もう起きていたのか。 今日はいつもより早いな」
「その分早く出発できそうですし、寝坊されるよりかは全然マシだと思いますが?」
「それもそうだなっ」
そんなこんなでアンナといつものように戯れあっていると急に扉のとが開く音が聞こえた後、ウィリアムの声が、次いでカイザルの声が聞こえて来るではないか。
「あら、あなた達も今日は日帰り旅行と知っていたようね」
そして、彼ら二人の会話から今日はみんなで近くの湖へと日帰り旅行へ行く事を知っていたみたいである。
今日の日帰り旅行はわたくしにはサプライズだったみたいなので当たり前と言えば当たり前なのだが、だとしてもそれがなんだか少しだけ悔しいと思ってしまう。
「当たり前だろ? なんてたって今日の日帰り旅行は俺とカイザルが考えたんだからな」
「本当、大変でしたよ。 思いついたのが一昨日ですからね。 日数的に無謀かとも思ったのですが、実現できそうで何よりです」
そして二人は今回の日帰り旅行を考えたのは自分達であると言うではないか。
それも思いついたのが一昨日。
あぁ、だから使用人達も少しだけ慌しかったのか。
合点承知の助である。
しかしながら、それでもまだ理解できない部分はある。
「まったく、貴方達が犯人だったんですわね。 それで、またなんで急に日帰り旅行なんて事を実行しようと思ったのかしら?」
「それは……もう少し待ってくれ」
「後で必ず説明すると約束いたします」
「……分かったわ。 その事について二人が教えてくれないのならばいくら考えるだけ無駄でしょうし、後でその答えをおしえてくれると言うのであれば、とりあえず今は日帰り旅行を楽しむことだけを考えましょう」
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祝(∩´∀`)∩100話!!
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