第40話そんな事ができる訳がないだろう
はっきりって父上が言っている事は何一つとして理解できなかった。
ただ、上から目線で間違った事を永遠とグダグダ講釈を垂れ流し、一方的に言う事で悦に浸っているでろう事だけは理解できた。
「それと、貴様の王位継承権は昨日をもって剥奪される事が、昨日開いた緊急会議で決定された。 これは正式なもので、遠方にいる者は魔術具により賛成か反対かの意見と理由も送って貰っておる。 貴様は今まで自分に異を唱える者は排除して来たのであろう? 今回の件、そして会議の結果を見ればすぐに分かったわ。 そして今日集まった貴族は新興貴族か、元々頭の弱い者達ばかりだったのではないか? だが、今日のパーティーを見ればその者達ですら貴様を見限ってしまったようだがな」
「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!! 王位継承権の剥奪とはどういう事ですかっ!? 俺は一切そのような事は聞いておりませんっ!!」
「口の利き方を弁えろっ、小僧がっ!!」
「ひぃぃっ!?」
まるで俺が使えない貴族、または使用人を叱責するかの如き怒号と剣幕で威圧してくる父上に俺は腰が引けてしまう。
「我は先程申した筈である。 貴様の王位継承権は剥奪されたと。 で、あれば今の王位継承権を持たない貴様はなんだ?ただの王族の血を引くだけの貴族であろう。 同じ王家の血を低血筋の公爵家と今の貴様は何が違う? 公爵位ですら王家には敬意を示すと言うのに、王位継承権を持たぬ貴様が国王陛下である儂、引いては次期国王候補の弟にそのような口の聞き方をしても良いとでも思っておるのか?」
まるで、ゴミを見るかの如き視線で俺を貶し始める父上なのだが、言っている意味がわからない。
なんで俺が王位継承権まで剥奪されなければならないのか。
そして、何で王位継承権を剥奪されれば対等である筈の父上や、俺よりも下の立場である弟へ忖度をしなければならなくなるのか。
この俺が、下の立場である弟に頭を下げろと言うのか? 狂ってやがる。
そんな事ができる訳がないだろう。
むしろ弟が尊大な態度を俺に取ってきたらそれこそ不敬罪で牢屋にぶち込んでやるわ。
「あぁ、恐らく貴様は言っても聞かないであろうし分からないであろうが一応は忠告しといてやる。 以後、儂や弟であるベルトホルンに対して今まで通りの尊大な態度を取った場合、不敬罪で牢屋行きであるからな。 覚悟するように」
「ぐぬぅっ!」
「まぁ、わざわざ忠告してくれる家臣を全て切った貴様には、もう何が合っており何が間違っているかなど分からないと思うが精々婚約者を悲しませる事がないように頑張る事だな」
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