第215話 傀儡国家

「ど、どうせハッタリに決まっているっ!! 上位ランカー相手にはそんなハッタリで通用する世界ではないという事を教えてやるわっ!!」

「あら、威勢よく息巻くのはよろしいのですけれでも、あなたの装備では電撃系は防ぐ事はできない事は分かっておりますの? 後、金属は冷めたあと急激に熱したりというのを繰り返すと脆くなってしまうのも分かっておりますのかしら?」

「へ?」


 そしてわたくしは右に炎を纏った拳で相手の剣に張り付いた氷ごと殴り割り、そのまま土手っ腹を雷を纏った拳でぶん殴る。


「あががががががっ!?」


 そして自称元エスランクの男性は武器を壊された後激しく痙攣し、どしゃりと音を立てて膝をつく。


「それで、上位ランカーがなんですの?」

「い、ぎ……っ。 お、俺が悪かったっ!! な? 謝るから許してくれないかっ!? この通りだっ!!」


 そして男性は恥も外聞もなく今までバカにしていたわたくしへ土下座をして許しを請うではないか。


「まったく、そこまでいうならば今回限り許して差し上げますわ……」

「なんて言う訳ねぇだろばーーーかっ!!」

「あら、奇遇ですわね。 わたくしも許すつもりなど毛頭ございませんわ」

「へ? あ……やめ、グボォッ!?」


 わたくしは相手の近くまで行き許すと口にしながら土下座している男性目掛けて上から下へと拳を振り下ろす為に振りかぶっていた。


 その時男性もわたくしと同じことを考えていたのか奇襲をしようとするのだが、わたくしは土下座をしている最中も殺気は鋭く、わたくしへ向けられていた為男性の言葉は嘘であると見抜いており、くると分かっている相手の奇襲など食らう訳もなく、むしろ男性が奇襲するために顔を上げようとした所をそのままわたくしの拳で振り抜いていく。


 因みに属性は氷であった為、殴った箇所が凍ってしまっている。


 そして気絶してしまった所に水を拳に纏わせて軽く叩くように殴り、水をぶっかけて強引に覚醒させると胸ぐらを掴んで無理やり立たせる。


「もう、勘弁してくれ……今度こそ俺が悪かった……」

「ダメですわ。 わたくし言いましたもの。 あなた身体にわたくしの魔術がインチキではないと叩きこむ、と。 まだ序の口ですわよ?」





「すまん。 俺の聴き間違えかもしれないからもう一度言ってくれないか?」

「はい、カイザル様。 王国をブラックローズの傀儡国家にすることができました」


 うん、何回聞いても何一つとして意味が分からない。


 どうしてこうなった、と頭を抱えるのだが、冗談抜きでなんでこいつらは俺の知らぬ間に王国を傀儡国家にしたのか意味が分からない。

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