第201話 見た事も無い空飛ぶ魔物
一体彼女達はどこを目指しているのだろうか。 想像するだけで恐ろしい。
正直世界征服と言われても信じてしまいそうな程の軍事力は既にある上に、何なら誰一人死ぬ事なく世界征服を実現しそうなのが恐ろしい。
それについて詳しく聞いてみたいという好奇心と、聞いてしまったが最後後戻りできなくなる可能性が高いため聞きたくないという恐怖心とがせめぎ合った結果、なるようになるのだから聞かないという選択肢を取る事にした。
どっちに転がろうが俺の身内が死ぬような事がなければそれでいいではないか。 決して俺がヘタレだから聞けなかったのではなくて、彼女達の安全が確保されていると思えるからこその聞く必要は無いという選択肢である。
「それにしても、大所帯になってきたな」
「はい、そうですねっ! それもこれも全てご主人様のおかげでございますよっ! あ、因みに今現在六百六十六人の奴隷達がおり、全てご主人様に心からの忠誠を誓っておりますっ!!」
そう、俺の言葉にキラッキラと目を輝かせながらケンタウロス娘であるアンナが答えてくれる。
因みに俺は今アンナたっての希望によりアンナの背中に跨って移動をしているのであって、決して嫌がる彼女の背中に無理やり跨っているとかではないと強く言っておこう。 そこの所、今まるで羨望の眼差しで俺達を見つめている奴隷達だけは勘違いだけはしないで欲しい限りだ。
てか、六百六十六人って流石に多過ぎやしないか? 奴隷達がまるで犬猫を拾ってくるような感覚で見境なく奴隷達を正規の値段で買い漁っているのだから増える一方である。
あと、数字が不吉すぎるんですけど。 俺がサタンですってか?
「あ、それとご主人様が帝国が欲しいと一言言っていただければいつでもこの国を一瞬にしてご主人様の物として見せましょう」
「…………え?」
「いつにしましょうか? 私たちはいつでも準備は万端ですっ!!」
そしてアンナがそう声高々に言うと、物凄く洗礼され、かつ迅速な動きで俺の前に奴隷達が綺麗に並び膝をつくではないか。
「さぁ、ご命令を」
この光景だけを見るとまるで今まで俺は帝国を手に入れる為に奴隷部隊を作り、育てて来たように見えるだろう。
どうしてこうなった。
「い、今はまだその時期ではない」
そして俺は、これが悪手であると分かってはいるのだが結局否定する事も出来ずに問題を先送りにする。
そう、全ては未来の俺がきっと解決してくれるだろう。
がんばれ、未来の俺。
◆
「ふむ、また空飛ぶ鉄の鳥の目撃か……」
「ここ最近多いですね。 まだ帝国への被害が出ていないのでこちらとしてもどのように動けば良いのか判断しかねております」
「本物のドラゴンの次は見た事も無い空飛ぶ魔物か……」
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