第75話 宇宙人

 そして思う。


 アイツらは本当に人間なのかと。


 どういう思考回路をすればこのような事ができるのか、そしてあのような考えに至るのか、俺にはまるで理解できなかった。


 むしろ人間の皮を被った化け物であると言われた方がまだマシである。


 きっとあいつらは日本語が理解できない宇宙人なのであろう。


 そして、今もなお鳴り響くスマホの画面は、義理実家、元嫁、間男の文字がランダムに現れては消え、現れては消えを繰り返している。


 その事からも元嫁と間男が恐らく俺のスマホが繋がる事に気づいたのであろう。


 いい加減うざいので俺は当初の目的である時間を確認すると今一度スマホの電源を切り、夜に着信拒否をしてからゆっくりとメールを確認して、その中からこちら側が有利になるような内容のメールを探す作業をすればいいだろう。


 とにかく今は美味しい物を好きなだけ食べたいし、とにかくお金を使いたいという衝動が強すぎて、その衝動を先に発散させる方が、俺にとっては優先順位は圧倒的に上である。


 とは言っても、豪遊したいというわけではなく、コンビニで好きなものを買いたいという程度なのが、俺らしいと思ってしまう。


 そして俺は久しぶりにリフレッシュしてホテルへと帰ると、とりあえずスマホに電源を入れる。


 流石に長時間電源を落としていたからか電話はかかっては来ないのだが定期的にメールが飛んでくるのでその事からも全員元気に活動中である事が窺える事ができる。


 その事を確認した俺は元嫁、間男、義理実家にこちら側が指定した日時と場所にて今回の件について話し合いをするので来るよに。 また、来ない場合は交渉決裂とみなし即刻裁判へと移ること、そしてこれからの連絡は弁護士へしてほしい。 という内容の文章をメールで全員へ送信して電話番号は着信拒否、メールは受信拒否し、受信メールを確認する。


 そのメール数は軽く合計千件を超えており、元嫁は罵詈雑言から始まり、泣き落としからの私は悪くない、そしてまt罵詈雑言。 間男と義理実家は常に俺に攻撃的な文章であり、その中には殺人をの褒めかす内容もありこちらの武器が増える一方だということは分かった。


 とりあえず、それらを一通り眺めた後パソコンへ転送し、武器になりそうな物は適当に分けてコピー、後日弁護士さんへという流れである。


 そして俺はやる事これで終わり、後は指定日の勝ち戦当日まで英気を養うだけである。


 そんなこんなで久しぶりに羽を伸ばして数日、話し合いの日である。

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