#04 

 戸惑い、言葉を失う。


 このあと、この怪しい男を紳士君と名付け、一悶着あってから彼が悪魔だと知る。


 そして、変身能力を授けてもらう事になる。


 それらを説明してもいいのだが、大して面白くもない。ゆえに割愛して進めよう。ともかく無償で(※信じられない事なのだが紳士君が言うには変身を授ける行為は奉仕らしい)変身能力をもらった俺は、とりあえずお試しでイケメンに変身する。


 変身ッ!


 と……。


 しかしながら、今、俺が手に入れた変身は、姿形が一切変わらないものであった。


 その代わりと言っていいのか、頭の中にステータスウインドウが浮かび上がった。


 それが、下記のイケメンステータスとなる。


ステータス ********************************


職業:イケメンの俺(♂)

年齢:18歳。


LV  :   12


HP  :   22

MP  :   45

攻撃力 :   11

防御力 :    9

スタミナ:   36

素早さ :   10

賢さ  :   17

幸運  :   26


所持スキル:

スポーツ万能補正

勉学優秀補正

カリスマ【一般】

弁舌適正


**************************************


 繰り返すが、変身しても、そのままで、ありのままな俺である。


「今、貴方が得た変身能力は人の内面だけ変えるものとなります」


 内面だけだと? それは変身と言えるのか?


「ふむ。どうやら内面だけの変身では不安のようですね。よろしい。外に出てみましょうか。そして周りの人間の反応を見て、それが変身であると確信して下さい」


 そして……、紳士君の言う変身でイケメン化した俺は外出する。


 これは、とても不思議だったのだが、一切、姿形が変わっていないというのに行き交う女達、すべからくが俺に熱い視線をおくってきた。無論、それはカップルも例外ではなく、カップルの片割れである、女性の視線が俺に釘付けとなっていた。


 多分に、内面から、にじみ出る魅力とは、こういう事を言うのかと妙に納得した。


 それどころか男の俺に男からの熱い視線も集中してしまったがゆえ、恐くなった。


 ケツ筋がキュッと音を立て強く強く締まる。


 男からもかよと、思った以上にイケメン化していると確信する。


 ゆえに確かに変身したのだと考えを改めた。


 そして、変身を解く。


 いくらか惜しい気もしたがモテたいならば何も単なるイケメンじゃなくてもいい。


 別の者に変身した方が合理的で、且つ、男から襲われる心配もないだろうからな。


 兎も角。


 それよりも、本当にリスクはないのかと変身を解いたあと、体をくまなく調べる。

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