 第三章 王立図書館2 

 


 山のように積み上げられた本、壁一面に張り巡らされた本棚。


 机の上にもたくさんの本。


 辺り一面、本だらけ。




 巻物や、本を机の端へと追いやるレイアちゃん。


「ここは、収蔵庫です。普段は、ここから入らないんですけど、ナツ様がどうしてもとおっしゃるので。特別にここの扉を使いました。普段はちゃんと門から入ってくださいね。衛兵さんたち、こまっちゃいますから。今、本の修理で大忙しなので。それと一応、休館日ですが、お静かにお願いしますね。結構響いちゃうので。」




 図書館に入るととっても大きなホール。


 ドームの天窓から入る光が眩しい。


「ここには、この大陸中の本がそろってるんです。   ここはキャラバンの集まる隊商都市と貿易の拠点の港との中継地ですからここにない本はほとんどありません。東館が歴史、西館が文学、南館が古典です。」


「北館は開けてないのか?」


「はい、ただいま、改装中です。」




「あ、勝手に入るとかなしですからね。今、忙しんですから。」


 レイアちゃんはほっぺたを、ぷっ~とふくらませて、助けてくれた人を威嚇する。


 でも、まだ仕事があるのか両手ですぐにほっぺたをもとに戻した。


 なんかかわいい。


「それでは、ごゆっくり、後、最後、図書館出るときは私に言ってくださいね。書庫、閉めないといけないですから。」


 そういって鍵をくるくるするとレイアちゃんは去っていった。




 ☆☆☆




 ひたすら、長い図書館の廊下を進む私たち。


 そういえば、まだ、名前、聞いてないし、言って無かったよね。


 レイアちゃんはなんか様付けでよんでたけど。


「そういえば、まだ、名前まだ、言ってなかったよね。私、二条瓦春って言います。昨日はありがと。私、この街慣れてないから。」


 私はさっき考えていたことをさっそく切り出した。


「お礼はもういい、それとナツって呼んでくれ。名前、全部言ったら長ったらしいから。それと…。呼び捨てでいいから。変なあだ名とかもダメだからな。」


 ナツさんはちょっぴり顔を赤らめてぼそぼそっという。


 茶色っぽい髪がなびいてちょっとかわいい。


 でもそこまで言われなくてもちゃん付けとかしないから。


 まあ、本人がそれでいいなら、いっか。


「えっと、それじゃあ、ナツ?でいいかな」




 ☆☆☆




「それで、どこから見たい?」


 ナツは図書館のちょうど真ん中の大きなドーム天井の真下まで来るとつぶやいた。


「う~んとじゃあ…。」




 うーん。


 元の世界に戻れそうな本。


 私はレイアちゃんの言ってたことを思い出す。


 たぶんだけど、伝承とかだよね。


 “東館が歴史、西館が文学、南館が古典です。”


「それじゃあ、歴史とか?」


「歴史か。それなら‥。」




 ☆☆☆




 ドームの天井のあるところを抜けると大きな広間にでた。


「あそこからホントは入るんだ。」


 ナツは向こうを指さしてそう言う。


「今日は職員はほとんど休みだから、いるのは衛兵くらいだ。」




 茶色い木製のカウンター。


 天井から垂れ下がる垂れ幕。


 ガラス張りの天井。


 天井まで続く本棚。


 本で見たような景色に思わず見惚れる私。


「綺麗。」


「大陸で一番大きい図書館だからな。もう少し案内しよう。」








☆今日は二回投稿する予定ですっ。

☆今日はそのまま投稿する予定なので、時間はまちまちですっ。

☆ブクマ、評価、お願いします。(>_<)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る