第5話「初戦の鍵」

俺が戸惑っていると、早速スライムが俺に向かって、ポヨンと跳ねて突っ込んでくる。

「ゴハッ」

スライムの突進はみぞおちにはいり、ドゴッと鈍い音を立てる。ぷよぷよした見た目とは裏腹にかなりの痛みを俺に与えてきた。

確認してみると、俺のHPをただの突進で5割ほど削ってきやがった。武器もなしに、こいつをどうやって倒せばいいのか、、、

とりあえず攻撃を俺もしかけないと、何も出来ずに死んでしまったらギフティアに申し訳ないと思うからな。

だが、今俺が使えるアビリティはレベル1で、レベルアップしないと意味の無い、無限パラメーターと、魔法を覚えてないから、無永続魔法可能は使い物にならないし、超スピードを使ったとしても、攻撃を避けるぐらいだ、突進された時に分かったんだが、スライムの弾力は異常だ。

武器があれば簡単に倒せるだろうが、俺は今素手だし、どれだけ早く攻撃しても聞かないことは明白だ。とりあえず、今は攻撃を避けながら考えるしか無いみたいだな。

そんな事を考えながらスライムから逃げていると、ギフティアがアドバイスをくれる。

「君にはまだ2つも君だけのアビリティがあるじゃないか。それを使うんだ。」

俺は、ギフティアの言う通りにするしか勝つための方法が無いことを理解していた。

「アビリティ発動「感情」(危機的打破)」

パラメーターを確認してみると、攻撃値がさっき3だったのが、なんと、15にまで上がっていた。5倍も上がるってことは、相当危険だったんだな。防御の方も3から15に上がっていたが、超スピードがあるので別に今は上がっても大丈夫だ。

そして、俺は突っ込んでくるスライムを華麗に交わし、下からアッパーをぶち込んだ。

そうすると、スライムは真上に吹き飛び、そのまま破裂した。

「やった!勝ったぞ!」

俺は初めての戦闘に勝ったことに喜びを隠せなかった。もしも今、神様が俺の性格を変えていなければ、この喜びを感じなかったのだろうと思うと、もうすぐやってくる感情との別れに対して少し寂しさを感じる。

そんなことを考えていると、頭に聞いたことの無い、誰かの声が流れてきた。

「レベルアップが2にアップしました。」

横でギフティアが何かを呟いた。

「レベルが上がったようだね。じゃあ、次は、あれの説明をしないといけないね。」

いったい、何のことを言っているのだろうか、そう思うとまた声が流れてくる。

「スキルを使用することが可能になります。」

ギフティアの方を見ると、これからが本番だと言う勢いで、俺に語りかけてくる。

「さぁ、これを説明して、もう1戦だけ見たら、私は天界の方に帰るとするよ。」

そろそろチュートリアルも終盤になってきたことを感じた俺は、ギフティアの説明に再度耳を傾けるのであった。

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