第8話
「なるほど。確かにその方法なら、誰がアリス様を狙っているか特定できますね」
フランクリンはアリスの考えに感心していた。
フランクリンたちが来て間もないというのに、すぐにこんな作戦を思い付くなんて、なんて頭の回転が速いのだろう。
「はい、この方法なら確実です。もちろん、それは皆さんの協力なくしてできることではありません。どうか、よろしくお願い致します」
「はい、お任せください。それでは、さっそく行動に移ります」
フランクリンは笑顔で答えた。
そして、アリスたちのいる303号室から出た。
*
彼は苛立っていた。
どうにかして、アリスを消す方法はないかと考えていた。
しかし、国外に逃げられた以上、どうすることもできなかった。
悶々と悩んでいると、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「入れ」
彼は返事をした。
扉が開かれた。
入ってきたのは彼の執事だ。
「あの、お客様が来ております」
「まったく、アポを取らずに訪ねてくるなんて……。いったい、誰だ?」
「ライアン王子の直属の兵であるフランクリン様です。どうしてもお伝えしたいことがあるそうです」
「わかった。通せ」
執事は部屋から出て行った。
そして数分後、フランクリンが部屋に入ってきた。
「それで、私に伝えたいことというのは、いったいなんだ?」
彼はフランクリンに尋ねた。
「はい。実は、アリス様の居場所を知っています。彼女は追放されたと思っていましたが、今は国内にいます」
「何!? それは本当か!? それで、彼女はどこにいるんだ?」
「ええ、場所は国境近くの小さな町にある宿屋で、部屋番号は303です」
彼は、フランクリンのその言葉を聞いて、不敵な笑みを浮かべた。
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