上位者ラッキ=スケヴィは気まぐれにいいことをする
──餓鬼道の視点
いい探索者の条件とはなにか。
長時間の探索に耐えられる忍耐力?
強力なスキル? 装備?
あるいは珍しい
はたまた懸命に日々鍛錬する勤勉さ?
探索者の頂点Aランクの探索者を見渡してみるに、いずれのどれもが当てはまらない。
「良い探索者とは、夢中な探索者です。エージェントのお嬢さん」
ある昼下がりの千葉県某所。
閑静な住宅街のなかにひっそりと息をひそめる公園がある。
春の陽気から隠れるようにして、木陰に身をそわせる
赤いスーツに白いネクタイをしたビジネスマン風の男だ。
目が痛くなるような配色であるが、この男は派手な柄でありながら、身に着けている服もネクタイも時計もバッグも、そのどれもが上品で優美であった。
一つ解せないのは、おかしな目隠しをしていること。
それも真っ赤な布地に、白い十字が刻まれた目隠しだ。
知っている者ならピンとくるそれは彼のトレードマークでもある。
彼の名は『銀行員』。
ダンジョン財団JPN本部Aランク”第1位”探索者だ。
『銀行員』は「なぜ夢中であることが良い事なのか」を語り始めた。
話は探索者という存在のはじまりから語られ始める
ひと昔前まで、探索者は面白い職業だと見られていた。
未知の迷宮に足を踏み入れ、光る石を拾い、帰ってきてお金に変える。
確かに面白い職業なのは間違いない。
だが、同時に危険も多い仕事だ。
ある時、モンスターが流出した。
ダンジョン財団率いる探索者が事件を解決したが、都市が機能停止に追い込まれた未曽有の大事件は、世間に物の見方を教え、その時から探索者はヒーローとなった。
(全部知ってる)
餓鬼道はサングラスの裏側でつまらなそうに半眼をつくっていた。
彼女が聞きたいのはそんなことじゃないのだ。
指男の写真を手に入れた彼女は、その正体に急進的に近づきつつある。
そのため、いっきに確信に迫るべく強制捜査に乗り出した。
あと一歩なのだ。あと一歩で届く。
もちろん、餓鬼道は自分の知るミスター・サングラスがまさか指男・赤木英雄などとは思っていない。なんならホテルのエントランスで出会っても、全然気が付かなかった。彼女が思ったのは(やっぱり、サングラスかっこいいな……私もほしいな……)ということくらいだ。どこに目を付けているとぜひ問いたい。
(指男・赤木英雄、正体不明だけど、男であり、高位の探索者ということはわかっている。私の眼力は本物。嘘を見抜くことには自信がある。質問をすれば、必ず正体を突き止められるはず)
餓鬼道は厳粛な雰囲気をつくって銀行員を睨みつける
その眼差しから、銀行員はこの少女がどれほどの要件で自分をたずねてきたのかを察した。
「こちらが話すべきはこんなことではありませんでしたね」
「私は捜査の一環で来た。(指男・赤木英雄は)あなたの(ことですか?)」
──私は捜査の一環で来た。あなたの
「なるほど、私の捜査とね。いいでしょう。常人には計り知れないことかもしれませんが、お話しましょう」
(まさかアタリ? 銀行員が指男の正体? それなら納得できる。Aランク1位が暗躍していたと言うならば)
「話(してくれま)せ(んか、そろそろこのミステリーも)か(い決編に突入するべきで)す(から)」
──話せ、カス
「なかなか辛辣なお嬢さんですね」
銀行員は苦笑いしながら、目隠しの位置をすこし直す。
「私はあまりに多くの罪を犯しました」
(やはり、指男……)
「この罪科を清算することは敵わず、邪神の眼差しから逃れることも敵わず」
(邪神……間違いない。指男はかつて「power? ──力が欲しいか?」と言って群馬の原住民たちをダークサイドに引き込もうとしていた)
「咎人、そう後ろ指をさされても仕方のないことです」
(後ろ指……こんな言い回しを使うのは指男だけ!(※そんなことはない)
銀行員はついに、罪を語りはじめた。
息を呑む餓鬼道。
Aランク1位がこれまで隠して来た驚愕の過去がいま明かされる。
「私はこれまで81万飛んで81回のラッキースケベ被害にあいました。いえ、加害したと言ったほうが世間的には正解でしょうか」
「……(この男は何の話をしてるんだろう)」
「あなたはかなり踏み込んだことを知っているようなのでお教えしましょう。43年間秘密にして来た秘密を。私は特別な才能を持って産まれました。ラッキースケベ体質です。このおかげで3年連続JPN最優秀探索者賞を受賞する栄誉を受けれるほどに、ダンジョン探索者として成功している訳ですが、同時にこの体質のせいで麗しい女子にたくさん迷惑をかけました。この目隠しですか? はは、流石は勘が鋭いですね。はい、ご明察の通り、私は視界内に美少女をおさめてしまうと、高確率でその方のおパンツのひもを破壊して、もみくちゃになってしまいます。視界を塞ぐのはそれを防ぐためです。え? 魔眼? 魔眼を封印するための目隠し? そんなカッコいい設定はありませんよ」
「……変態」
「いいえ、その認識は間違っています。私は変態ではありません」
「変態」
「いいえ、私は変態ではありません」
「変態」
「いいえ、私は変態では──」
「変態」
「いいえ、私は──」
「変態」
小学生レベルの水掛け論をくりかえし、やがて両者は静かになった。
餓鬼道は改まった調子をつくり「では、どんな奴なら変態(になるんですか)」と問うた。
「そうですね。ラッキースケベに憧れるあまり、故意にスケベをしたり、でしょうか」
「それは変態」
「そのとおり。言い訳のしようもない、まごうことなき変態です」
「あなたも変態」
「いいえ、私は変態ではありません。その認識は間違っています」
この変態かたくなに変態を認めない。
「男性がつい、うっかり美少女のおパンツのひもを破壊してしまうのは、なにも不思議な現象ではありません。今日では物理学は進歩し、パイザック・乳トンの万乳引力とならんで、おパンツ・ひも理論としてすでに解明されています。男性はお胸と同様、おパンツにも逆らえない生物なのです」
銀行員は目隠ししたまま、東屋の埃被った梁のある天井を見上げた。
その表情には、いっさいの臆面もない。
「ラッキースケベは神々の気まぐれです」
「(今更)なに(を言おうと、あなたが変態であることは)か(わらないで)す」
──なに、カス
「もし神が一握の興味を注いだのなら、誰にでも起こりえる事だということですよ」
「……神?」
「むしろ、選ばれし者ならばラッキースケベのひとつやふたつ引き寄せることもできるはずです。ええ、必ず、できるでしょう」
変態は目隠しの位置を直し最後にこう続けた。
「ラッキースケベを起こしたいのなら、ひたすらに善き人間であることを努めなさい。人事を尽くしてスケベを待つ。これはとても有名なことわざです」
────
とんでもないデイリーが来てしまった。
──────────────────
★デイリーミッション★
毎日コツコツ頑張ろうっ!
『突然! ラッキースケベ』
突然、ラッキースケベする 0/1
継続日数:101日目
コツコツランク:プラチナ 倍率10.0倍
──────────────────
ただの犯罪行為では?
それにラッキースケベって定義曖昧すぎませんかね。
どこまでラッキーで、どこからラッキーじゃないのかなんてわからないですよ。
「ちーちーちー」
うっ、シマエナガさんがじーっと見つめて来る……。
チーム指男の風紀員シマエナガさんは基本的には人格者だ。
えっちな展開にも非常に厳しく目を光らせている。
だが、だからなんだという。
コツコツランクを継続することこそ最も大事なことだ。
まだ24時間も残っている。
必ずやラッキースケベしてやるのだ。
というわけで、経験値工場から1階層へ移動します。
「今日の狩場」を更新しておいて、キャンプへ戻ります。
映画館を出れば、まだ、空は暗く、朝という感じはしません。
でも、流石はダンジョンキャンプ。
照明が照らし出し、昼間のように明るいです。
財団の職員の方々がせわしなく働いています。
朝早い探索者たちはホテルから出て来る頃合いで、出勤してきてます。
世間が今日も一日頑張るぞいと張り切っている時、俺はひとり「どうやってラッキースケベしてやろうか」と思案している。
自分が恐ろしく浅ましい阿呆に思えて来ました。情けないです。
そもそも、ラッキースケベなんてやろうと思ってできるのか。
「いや、俺にはこいつがある、ブチ」
今日まで欠かさずクロスで磨いてきた相棒。
わが身に起こった幸運は全部こいつのおかげだと思っている。
それくらい頼りになるやつだ。
今回もこいつがイイコトを運んできてくれるに違いない。
「あ、おはようございます、赤木さん!」
「おはようございます、修羅道さん」
「映画館から出て来たという事は、ずっと潜ってたんですね。補給拠点までいけるようになってからは引きこもり系探索者になると思いましたけど……やっぱり、なりましたね!」
「引きこもり系探索者?」
「はい、ダンジョンに突入して、補給拠点を根城にしはじめると引きこもりさんにランクアップです!」
「世間的にはランクダウンな気がしますけどね」
修羅道さん、今日もかあいいです。
こんないい人を前にラッキースケベのことしか考えていない自分が嫌になっちゃうよォ……ぅぅ。
ところで、なぜか修羅道さん、いつもの受付嬢なお洋服ではなく、スポーツウェアを着ていらっしゃいます。それもたぶんバスケットウェアとバスケットパンツでしょう。胸には『Dungeon Valkyries(ダンジョン・ヴァルキリーズ)』とチーム名みたいなものが英語で書かれてます。
「あっ、これですか? 実は財団の女子バスケットボールチームの助っ人ととしてさっきまで試合に参加してまして!」
「へえ、バスケットやってたんですね」
「いいえ、はじめてやりました!」
「……」
なんで助っ人に呼ばれたんだろ……。
もしかして、はじめてでも戦力になるくらい強いとか?
ありえる。修羅道さんなんでもできそうだもん。
ていうか、いま朝の5時だよね。いったいどこで試合してきたんでしょうか。
まあ、とりあえず査定してもらいましょ……。
「わあ! トラップルーム!! とんでもない
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今日の査定
───────────────────
小さなクリスタル 2,174円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
ちいさな宝箱 20,000円
宝箱 100,000円
宝箱 100,000円
宝箱 100,000円
宝箱 100,000円
宝箱 100,000円
宝箱 100,000円
宝箱 100,000円
宝箱 100,000円
宝箱 100,000円
『トラップルーム 川』 995,268,541円
───────────────────
合計 996,630,715円
───────────────────
ダンジョン銀行口座残高 1,000,328,426円
───────────────────
修羅道運用 70,264,198円
───────────────────
総資産 1,070,592,624円
───────────────────
「これで世界で10個目のトラップルームを財団は手に入れたことになりました! これはすごい出来事なんですよ!」
「10億円の資産……」
「えへへ、私たちの夢に一歩近づきましたね!」
ああ、だめだ、金額がおおきすぎて何も耳から音が入ってこない。
これはもうブルジョワを越えたブルジョワ……ブルジョワン、ブルブルジョワ、ブルブルジョワンブルブルン……とにかくブルジョワです!(※いい呼び方思いつかなかった)
「それじゃあ、銀行から運用の方へお金を移しておきますね!」
───────────────────
ダンジョン銀行口座残高 328,426円
───────────────────
↓ 10億円
───────────────────
修羅道運用 1,070,264,198円
───────────────────
───────────────────
総資産 1,070,592,624円
───────────────────
もう俺がお昼ごはんに何食べようか悩んで、値段で諦めることはないだろう。トッピングを選んで、もっと盛りたいのに値が張るからと並盛りで妥協することはないだろう。好きな物を好きな時に好きなだけ食べよう。そうこれが幸せ。金の力。
「赤木さん? 赤木さーん!」
「……はっ! すみません、資産家デヴューしたせいで気絶してました」
「発音が小賢しいですね! 特にデヴューのヴューあたり小賢しくて腹がたちます!」
けらけら笑って、ニコニコしてる修羅道さんを見てると心が満たされていくのを感じますね。これもまた幸せ。ハピネス。
査定が終われば、ざわつく財団職員たちが「あれが『トラップルーム』……はじめて見た」と、物珍しさに仕事の手をとめて野次馬をはじめています。
そんななか、せわしなく働き、宝箱をひとつずつ「よいしょよいしょ」とコンテナに移し替える財団職員と修羅道さん。
と、その時、
「わああ~! つまづいちゃった~!」
財団職員の女の子が派手に転びます。
めくれあがるスカート。あと少しでおパンティが見えそうです。
あまりにも不自然すぎる転び方ッ!
こ、ここかッ!?
ブチよ、さっそくラッキースケベの特殊召喚に成功したのか?!
目をカッ開いて凝視! おパンティの柄を焼きつけます!
「ちーちーちー!!」
「うわっ、し、シマエナガさん!?」
「ちーちーちー!」
「くっ! おパンティが見えないじゃないですか! どいてください!」
視界を塞いでくるシマエナガさんをむぎゅっと掴む。
「いてて~転んじゃいました~」
「大丈夫ですか、新人ちゃん! 気を付けないとダメじゃないですか!」
しまった。
シマエナガさんに絶好のラッキースケベを阻止されてしまった。
「ちー♪」
「くっ!」
「赤木さん? どうかしましたか?」
「いえ、なんでもないです……」
いくら頼れる幸運呼ぶブチと言えど、そう何度もラッキースケベを起こすのは難しいはず──
「ああ~!! 手が滑って水がぁあ~!」
何ィッ!?
先ほどの財団職員の女の子がミネラルウォーターを修羅道さんにぶっかけようとしている。こ、このままでは修羅道さんが濡れ透けに!! いいぞ、やれ! やれっ! いけええええ!!!
「ちーーーーー!!!」
「し、シマエナガさん?!」
シマエナガさんが弾丸のように飛んでいき、巨大化して修羅道さんを救い出し、濡れ濡れブラジャー透けの好機を奪って行った。
おのれ、空飛ぶ毛玉めっ!
「わあ、シマエナガさん助けてくれたんですね! ありがとうございます!」
「ちーちー♪」
修羅道さんはお礼にシマエナガさんに抱き着いてモフモフしてます。
クッソぉぉぉ!
どうせ濡れ透けが見れないのなら俺が助けておけばよかった!
そうすれば俺がモフモフしてもらえたのに!(※そうはならない)
「修羅道さん、大丈夫ですか」
何気ない様子で歩み寄ります。
「あ」
段差もないのに転んでしまう俺。わざとじゃない。
いいぞ、ブチ、よくやった。
いにしえのラッキースケベで修羅道さんを押し倒すのだ!
「ちーちーちー!」
「くっ! し、シマエナガさん!」
毛玉が目の前につっこんできて、美少女ともみくちゃになるのではなく、毛玉をモフモフするだけに終わる。
「あはは、シマエナガさんはとっても人助けが好きなんですね! えらいえらい! 本当にいい子ですね!」
「ちー♪」
頭をいい子いい子されるシマエナガさん。
なんでシマエナガさんばっかり……俺もいい子いい子されたいのに……。
「あ! 見てください、赤木さん!」
「なんですか」
「シマエナガさんちょうどいいサイズになると、バスケットボールみたいにバウンドするんですね、面白いですね!」
「ち、ちい!? ちー! ちーっ!!」
修羅道さんシマエナガさんでドリブルしはじめましたよ。
もう訳わかんないけど、シマエナガさんが困ってるならいいや。
すこしは反省してほしい。
「そうだ、赤木さん、このあとサイゼリヤでモーニングを食べに行きませんか?」
「モーニング? お食事のお誘い……?」
「あはは、もちろんそうですよ。それ以外なにがあるんですか!」
うう、いつもの修羅道さんだぁ……俺は、俺は、こんな修羅道さんにえっちないたずらを……もうやめよう、こんなくだらないことは。
コツコツランクなんかより大事なものがあるだろう?
違うかい? みんな? 人間には矜持があるはずだろ?
こんなデイリーミッションごときにその大切なモノを踏みにじらせていい訳がないだろ?
俺はもうラッキースケベなんていらない。
「あわわわ~! どいてくだ~い!」
「あれは服だけ溶かすスライムが入ったドラム缶ッ! 気を付けろあんたたち!」
服だけ溶かす都合のいいスライムッ?!
存在していたのかッ!
いいぞ、これならいける、バスケ女子な修羅道さんをもっと見てたいけど、肌面積多い修羅道さんはもっと見たいッ!(手のひら後方伸身宙返り4回ひねり)
人類最高の発明が入ったドラム缶がこぼれて、中身をぶちまけてくる。いける。いける! お願いしまぁああすっ!!
「ちーちーちー!」
「来たな風紀委員ッ! そうはさせるか! エクスカリバーッ!」
「ち゛い゛ー?!」
「よし、これで邪魔者は消えた!」
「指男! そのスライムに触れたら危険じゃ! ここはわしが!」
どこからともなく飛びだすドクター。
どけじじい! 貴様の出る幕じゃねえ!
「エクスカリバー!」
「うぎゃあああ!?」
「よし、今度こそ邪魔者はもういない!」
これで修羅道さんはえちえちになるはず──って、あれ、修羅道さんどこいった?
いない。修羅道さん、いないんですけど……。
「ちーッ!」
「っ! し、シマエナガさん!?」
しまった、我が真の相棒『選ばれし者の証』が風紀委員に連れ攫われてしまった!
ん? ということは、もう幸運ボーナスは俺にはないのか?
「あわわ~! どいてくださ~い!」
「そこの探索者服だけ溶かすスライムを避けろオ!」
あ。
服だけを溶かす最高に都合のいいスライム。
先ほどからラッキースケベを強引に発動させ因果を捻じ曲げたツケがまわってきたのだろう。
頭からスライムをかぶってしまいました。
経過を語る必要もないでしょう。
結論から述べると、俺が一番えっちな感じになってしまいました。
「どこに需要あんだよ……」
「ちー……」
「ぎぃ……」
──しばらく後
我が真なる相棒『選ばれし者の証』ブチは連れ去らわれ、シマエナガさんは電柱のうえに逃げてしまった。きっと24時間ブチを返さないつもりだろう、あの凶鳥。
俺は服を溶かされすっぽんぽん。
『アドルフェンの聖骸布』だけは
なので露出狂みたいにコートの前を完全に閉じることでまあ、見た目オーケーということで許されている。
俺の完敗だ。
もう打つ手はない。
ブチがいて、はじめてラッキースケベは成り立つ。
自発的にスケベしにいったら、それはただの犯罪だ。
ああ、やはり、何度でも思う。
この世界に神はいない。
無情だ。
今日までコツコツ101日……どんな無理難題でも乗り越えて来たのにな……。
こんなところで終わるとは思わなかった。
「ここが更衣室かな」
俺を
俺はスライド式のドアを勢いよく開いた。
「あれれ、リボンはどこに? そろそろ四次元スカートも整理しないといけませんね……って、あえ、赤木さん?!」
更衣室に修羅道さんがいた。
それも思い切り着替え中であった。
白いシャツのボタンはまだとめられておらず、通気性にすぐれたスポーティな下着が、はだけたシャツを押しのけるようにして、主義主張を雄大に語る豊かな双丘を
くんっと曲がった腰のくびれは、艶やかな曲線を描いて、美麗な臀部へとつづき、彼女の女性としての魅力を官能的に密告してきていた。
ふーん、えっちじゃん。
「ちーちーちーッ!!」
向こうから白玉が飛んできて思いきりぶっ飛ばされました。
へへ、風紀委員、一歩遅かったな。
今回はどうやら俺の勝ちだぜ。ぐへっ。
──────────────────
★デイリーミッション★
毎日コツコツ頑張ろうっ!
『突然! ラッキースケベ』
突然、ラッキースケベする 1/1
★本日のデイリーミッション達成っ!★
報酬 『経験値のなる木』
継続日数:102日目
コツコツランク:プラチナ 倍率10.0倍
──────────────────
────────
こんにちは
ファンタスティックです
どうぞ。
https://kakuyomu.jp/users/ytki0920/news/16816927860245032373
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