レジストギア・エンジニア〜機械王と反逆の奴隷〜

為すこと無く、意味も無し

第1話

「ーーー情報ヲ受信シマシタ。」


きっと俺は幸運だったのだろう。

一度死んだ身でありながらも、こうして自意識をもって生きているから。死ぬ直前の思いがカミサマかなんかに届いたのだろう、いや届いてしまったのだろう。


俺は同時に不幸でもあった。


「ーー管理区6Bノ住民八タダイマカラ労働時間デス、各自指定サレタ労働ヲハジメテクダサイ。」


無機質な音声が周りのスピーカーから流れ、それに従うように死んだ目をした人々が動き出している。


意思なく自由なく、ほぼ全ての行動が監視され、管理される。労働、食事、睡眠が規格化され、その他全てが切り捨てられる。

教育がない、ゆえに思想もない。

人々は意志なき歯車となり、疑問を持たずに生き、死ぬ。


「全テハ機械王サマノ為二。」


それが1人の男によって為されてしまった世界に、自分は異端なる思想を持って転生してしまったのだから。

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