第50話 「神世界への扉」
ミカドは合流して戦おうとするが
アンユに止められ掟で神との戦いは
一対一だ行わなければならない事を伝える、
「そうか……だからみんな……」
「僕はセーフですか……」
思い返せばユウシンとカムユが戦っている最中に
キッペイが割り込んで来ていた。
「試練の対象外……消されてないなら大丈夫……」
カムユとキッペイの戦闘は続いている。
黒雷球を放つ度にカムユは闇エネルギーで吸収する、
しかし、カムユの力も限界に迫っているのか
身体が崩壊し始める。
キッペイはトドメの一撃を放とうとするが
黒雷はもう出なくなってしまった。
食い殺そうと走るが途中でいきなり身体が縮まり
元の小さな身体に戻ってしまった。
キャウ~……
カムユは立ち上がりキッペイを
踏み潰そうと足を上げた時――
『
ボコボコにされて動けない程の負傷を
負っているにも関わらず雷の力で
無理くり身体を動かしカムユの軸足に
雷の刀で素早い斬撃を入れる。
脆くなっているカムユの足は簡単に
切り刻まれその場に倒れ仰向けになる。
「お終い……あなたの勝ち……」
「やった……キッペイ……やったね……」
ユウシンは体力を使い果たし意識を失う。
ミカドはすかさずユウシンとキッペイを抱え
倒れている仲間達の元に下がり一人一人の
安否を確認した。
「ミキリさん……ダンギさん……カリンちゃん……」
三人の半妖に手を合わせるミカド。
「アンユ……次はお前だろ……」
「魔人化……正気を保ったまま……」
ミカドの右腕から右頬の辺りまで黒い模様で染まり
魔人化してしまうが、いつものような暴走はなく
正気を保っていた。
「ミカド……魔人化が何だか分かってる?」
「あァ……力と引き換えに最後は死ぬんだろ……」
「そうだけど、正気を保ったままの魔人化は違う!
魔人の力を完全に手にしたも同然だよ!!
ますます面白くなって来た!!」
「そうなの??よっしゃ!!秘密兵器八蘇木は
後に控えてるのでまずはオロチ頼んだ!!」
何故かオロチヒメはミカドを見てニヤッと笑う。
「私は戦わないよ?見物に来ただけだし」
「は?何の為にお前を連れてきたと思ってんだ!!」
「私は着いてくって言っただけで戦うとは
助けるとは一言も行ってないだろ?」
「んだよ……何の為に俺は皆を犠牲に……」
「まぁまぁ、気を落とさず頑張りたまえ!」
「にーちゃん達行かないならあたしが行こー」
「待て待て待て!ミナトちゃんストーップ!!
アンユが妹だからって兄貴より弱いとは
限らない!!ここは俺が一旦戦うから
ミナトちゃんとルルちゃんは後に控えて!!」
「えぇ~しょ~がないな~」
オロチヒメはずっとクスクス笑っている。
ミカドはオロチヒメを一睨み。
「その顔で睨まないでくれ……
魔人にいい思い出はないんだ……」
過去に魔人と何かあったのかオロチヒメは
睨む魔人化したミカドから目を逸らす。
アンユとミカドは前に進む。
「さぁ一先ず決着の時!どっちが勝つか
両者見合って見合って~」
「オロチ……消えて……」
「うわぁぁぁあ!せめて観戦させて~!」
アンユは次元の扉を開きオロチヒメを
何処かに飛ばしてしまった。
あのオロチヒメを一瞬で何処かに飛ばしてしまう
アンユの力を目の前に流石に緊張の面持ち。
「行くぜ……」
「うん……」
ミカドは手に雷を纏いアンユ掴みかかろうとするが
アンユはミカドを真っ直ぐ見つめて何もして来ない。
反撃する様子も全くない様だ。
「いいのか……このまま攻撃するぞ……」
「どうぞ……気の済むまで……」」
「ん?えーと……ん?」
アンユは両手を広げ好きにしろ
私は何もしないととでも言う様な様子。
「好きにして……」
「なんだろ世間一般的に見たらこの光景は
圧倒的に俺がヤバいやつに見えちゃうから
やめて下さい……とりあえずどういう事か
話を聞かせてくれ……」
「私の役目はここまで……カムユが地上での
最後の試練……それを成し遂げたあなた達の勝ち……
でも……私は酷い事をした……だから仕返し受ける」
「そうか……本当はお前を八つ裂きにしてやりたい程
憎んでるが……いいわ……俺はこんななりになっても
人の心が残ってるんでな……」
「はーーーい!!しゅうりょーーーう!!
みんなお疲れ様~!!」
突如空から自称お手伝いさんを名乗る
恐らく神のマナが降ってきた。
同時に銀色に輝く美しい風のベールが
負傷した仲間達を包み、傷が回復し
激闘したのが嘘の様に回復して行く。
しかし、亡くなった三人は復活する事は無かった。
目覚めた仲間達はミカドが勝利したと思い
華々しく賞賛を送る。
「みんな……俺何もしてない……
ユウシン君がカムユを倒した時点で
戦いは終わってたみたいだ……」
「何言ってんのーここからが本番だよ!!」
ようやく安堵したと思った仲間達はマナに
視線を向けてどういう事か問いただす。
「君達は神の手による選別に生き残った、
そして次の相手は神世界にいる神々との
戦いが待ってる」
「神との戦いですか……戦わないという
選択肢は取れたりしませんか……」
ヒラノリは異形を退けた今、これ以上の戦闘は
無意味だと思い戦いを放棄しようと考える。
他の仲間たちも多くはその考えに賛同する。
なぜならカムユと戦って圧倒的な
力の差を感じてしまったからだ。
「俺はやるぜ、神々がこの事態を起こした、
そしてこれが一度とは限らねぇ、だろマナ」
「正解!人類は何度も何度も何度も何度も、
神々の意思で滅んできたからね」
「やっぱりな……俺は二度とそんな事を
起こさない為に神々を倒して俺が神になる……」
「いいよ!その意気!」
「皆、やられた仲間達や大切な人や家族、多くの
人類の無念を思い出せ!!当たり前に訪れる筈だった
明日を神の気まぐれで壊された事を思い出せ!!
それでも戦わないなら俺は一人で戦う……」
「俺は行く」
「クニトモさん」
「私も行きますミカド様」
「もちろん俺も行くぜ!ミキリ達の仇討たねーと」
「ハオリさん、バクマル」
その後も次々と仲間達はミカドの元へ、残る一人は。
「お、俺様も!行くぜ!!」
「無理すんなよ最強さん」
「最強の俺様無くして神に勝とうだなんて
無謀がすぎるってもんだぜ!!」
「……」
「なんだよみんな黙って!!」
「ありがとなウズキ……でも本当に無理するな……」
「だーかーらー!!行くっていってんだろ!!!!」
「はいはーい!皆さんお揃いの様で!
それでは神世界への扉開きまーす!!」
神々しい扉が目の前に現れ開くと
その先は真っ白の空間が広がり
暖かく煌びやかな空気がミカド達を包む。
「これ天国じゃないよな」
「違う違う、さっ!早くおいでー!!」
ミカドをは神世界への扉へ歩みを進めた。
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