鬼人種転生の異世界生活 鬼の力は抗う為に 

ナメコ2世

1章 異世界転移

日常という名の日々

キーンコーンカーンコーン …………「んっあれもう終わったのか…」


「おーい春お前いつまで寝てんだよ」



春、北条春それが俺の親友の名前だ。

まぁ今は机に伏せて寝ぼけているアホなんだが、、、なんか唾が、汚ねぇ。


「ぁあ瑠衣か仕方ないだろ眠いんだほっといてくれ」


———フワァ〜ア眠ってウルサイな、あぁ瑠衣かマジで眠


——春の隣で「起きろぉ〜」など半ば諦めの表情で「寝んなし」と言っている成績優秀超絶イケメンの文武両道を極めし者こそがそう!この竜胆瑠衣りんどうるいである。


「馬鹿ァ?なんで学校なんかで寝れるの?本当に呆れちゃう、、、」


「ってなんでお前雪がっ!」

「私春とクラスメイトだけど?」「はぁ〜またかよ少しは落ち着け」


——そしてこの春と話をしている少し高圧的な態度をとっているのが冬美雪である。

髪型は少し毛先にパーマがかかったセミロングである、その名前の様に真っ白い雪の様な髪色をした約160センチの女学生だ。


「あっ瑠衣君」


「あっ一条さん、一条さんも春に?」


「うっうん、そっそうだよ春君にちょとね、?」

「あっ一条さんどうしたんですか?ってぁあアレっですか?」


「はっ春君、あのっ!——「んっなんかいったか?瑠璃」

……………「「「「「あぁ〜うん」」」」」


「なんだよ、なんで皆そんな哀れな物を見るような目で見るんだよ」


「「「「「お前が(貴方が(君が悪い」」」」」「えぇ〜、、、」    





放課後  



「春〜帰ろうぜ!!」おうっ帰ろ〜ぜ瑠衣」


「春っ、君、、」

「ん?あぁ瑠璃もじゃあな!」 


「あっうん、ばいばい!また明日!」「ん〜まぁいっかじゃあな瑠璃」


別れの挨拶を言うと何故か瑠璃が少ししょんぼりしていた様だったが多分瑠衣が帰るからだろう、本当罪な男でもだぜ瑠衣はよぉ少しで良いからその垂らしの才を僕にも寄越せ


「どうしたのってあぁ春のことか〜瑠璃ったら意外と奥手なんだからでも春って鈍感なだけで引かれたらはしないと思うよ!!」


「そう、かな〜あはは」


「瑠璃が行かないんなら取っちゃうよ!意外とカッコいいし」


「そっそれだけはダメ、ダメだよ!ダメなんだからね?例え白ちゃんでもダメだからねっ!」


その話の一部を聞いた野次馬どもが噂し更にどんどんと野次馬が増えて行き——「なになに?」「あの一条さんが」「有り得ない」「嘘だ!!」「今までに見たこともない顔だ!!スクープか!!」と叫び合っていた。

それもそうだとマジで思う、だって一条瑠璃という存在は男の影も無く誰にでも優しい、そして自他共に認める美人、そんな高音の花が誰とも知らん男の話をしていたのだ。

祝福とはまた別の叫び声が学校全体に響き合った。


「ねっ「ダメッ」

「ケチ、」


——どうやら私とこの子の価値観は相当食い違っているらしい。







「それじゃぁっ行ってくるよ母さん」

「うん、行ってらっしゃい」 


眩しいな、こんな快晴は久し振りだな、もう三週間はこんな天気は無かった気がする。






「ん?、なんだあれ」

「やっ..め…さいほんっ..助っ...「ダメダメバレちゃうじゃん」


「はぁ、こうゆうのは無視が一番、なんだけど、なぁ朝から胸糞悪いもの見ちゃったな」


住宅の影に更に二つの人影があった。

一人は180程はあろうかと言う男性でその男に押さえつけられていたのが女高生だった。

その男は何処かの生徒の手首を乱暴に握ると女学生は悲鳴を上げたが既にその口には手がしてあった。


「ん〜んん!ーんーんんーッ!?」

「はっヤッパリ誰も来なかったなぁ〜?あっはははははじゃぁいただくとするかっと」


「んんーッ!んーん〜〜!?んんん〜!!」

「誰も来ねぇよっと」


春と目が合ったのか助けを求めたがそれに春が応える事は無かった。

申し訳なさそうに踵を返しあたかも何事もなかったかの様にその場から去って行った。

その事に女学生は絶望か、或いは諦めかもしれないがどちらにしろ目に涙を溜めそれ以降は声を上げることは無かった。






「着いたな、」



「あっ、よっ!春、元気ないな〜ちゃんと食ってるかぁ〜?」

「お前わかってていってるだろ」「まあな」


いつもの挨拶、なんの変哲も無い唯の挨拶。

だがそれが今の春にとってはそれ以上の価値があった。


「あぁまぁ、少し朝から胸糞悪いの見ちまったなぁ、てな?」

「ッそか、まっ元気出せ誰にだってそんな事ある、な?」


「まぁそうだな、ありがとなっ瑠衣、なんか元気出たわ」

「おう「あっ一条さんおはよう!!」

「あっえっあっあぁ春君、、、」


「あっうん、大丈夫?一条さん」

「瑠璃っです、、、」


「えぇ?〜」

「瑠璃って、瑠璃って呼んでくださいッ」


「わっわかった、るっ瑠璃?」

「はい!!」


実は瑠璃、かなりのやり手では?



「俺の一条さんが〜」

「あんなの見たことない!!」

「そんなっ瑠璃先輩、、、」

「くっ俺の負けだ」

「春って人意外といいかも!!!」

「先輩をよくも」

「あはははこれは夢かぁだって瑠璃さんは僕のことが好きなんだから」

「コロス!!!」

「先輩っやっと一つ目標達成できましたね!!」

「いつも以上に綺麗だな〜先輩っ」


これだけの人に聞かれたのだ、噂が噂を読んで伝播する、そうなればもう春は普通の生徒ではいられなくなるだろう。

また人の噂も七十五日と言うが学校一の女学生の噂だ、そんな都合の良い様にはならないだろう。

——春、健闘を祈る


——あのぉ〜そのね?えっとぉ〜、控えめに言って怖い、なんか怖い少し物騒な奴がいるしなんか親衛隊しるしあれ?もしかしてこれ俺マジで殺られるのでは?


「あっ瑠衣、璃さん「さん、ん?」瑠璃、も後白も大事な話がある」

「あぁそうゆうな、なるほど、」


やっぱり瑠璃は策士か?いやこれは、、、


「なんで一人だけわかったふうにしてんのよ!!私と瑠璃に説明しなさいよね!」


「「なんで呼び捨て」」

「「色々あった(んです)んで」」


もしかしたら案外大人しい性格と、ゃば、気難しい性格の二人が偶然マッチしたのかも知れない。


「「そっか」」




ガラガラガラ


「ん、?ぁあ、ハァ〜困ったなぁ、ん?、やぁやぁやぁ、なんで君たちみたいなのが僕の瑠璃と一緒にいるんだい?それに、君も君だよもう少し僕の彼女だという自覚を持ってくれ瑠璃」


「「「何を言って(んだ(いるんだ(いるんですか」」」


金沢静流、それが彼の名、彼も学年一とまでは行かないもののかなりイケメンの部類に入る生徒であり、かなり高圧的で生意気なクソガ——高校生だが親が有名融資系会社の社長であり何故か同級生相手にいつもいびっている金髪紅眼こうがんの高校生だ。


「えぇっはっなっ何を言っているだ?馬鹿き君達は、」


「嘘?だっさ〜」

「自意識過剰か〜」

「嘘つき?モテないんだ」

「ギャハハハハハ」


「金沢〜彼女居なくてムキになったからって駄目だろぉ?瑠璃にはもう好きな人いんだからよ〜」

「「「瑠璃さんに謝ってください!!!!」


「クズです控えめに言って」


「ふぅ〜、クソがッどけっ邪魔だ!」


金沢がクラスメイト達を払い除ける様に腕を振ると偶然花瓶に手が当たり床に落ちて——パリンと音をたてた。

床に広がる花瓶の中の水と当たりに散らばった破片がその事を更に強調した。


「おい貴様何をしている!!早くそのゴミをどけろおい!!聞いているのかっ」


「あっはっはいすみませんすぐ片付けます」


クラスメイトからの野次が余程気に入らなかったのが一番近くにいた女学生に向かって罵声を浴びせた。


「んっ?あッあぁ〜あ〜そうだわかったら早くしろこのクズが」


素直に従ったのが不思議に思ったのか少し眉間に皺を寄せるも直ぐに元の金沢に戻った。


「はい、」  


「オ〜イ朝のHR初めるぞ後金沢はぁ〜」

「はっはい?」


「お前あとで職員室こいよ?話がある」


「なっなんでですか?アレはこいつがッ」

「いや外で聞いてたから「後、お前へのクレームも含めてなッわぁ〜たか」


「はっ、ぃ、、、」


今話したこのクラスの教師が九十九飛彩であり学年主任だ。

正確は面倒くさがりだが、偶に、ほんの偶に頼りになる姉貴の様になる事が有るらしい。髪は右側だけ伸ばしておりピアスしてるし髪染めてる(よく変わる、今は黒と赤に、少しだけ黄色に染めている)。



「チック——「おぉい、金沢どうかしたか?私が」


何故この人はこうも金沢にわざわざ声をかけるのか、それが誰にも理解できなかった。

そして金沢の性格をよく知る者は何故そんなにも心を読むような事が出来るのだろうかと、実際金沢は九十九に対して悪態を吐こうとしていた。

急に声をかけられた金沢はと言うと、そりゃぁご立腹だろうなんせ世界は自分を中心に回っているのだと疑って止まないのだからこんなにも自分の邪魔をされては怒るなと言っても無理な話なのだ。


「いえ、なんでもありません」

「ふぅ〜ん」


(クソっクソっクソっ何が聞いてたからだババアがふざけんな!なんで春が瑠璃と話してんだよ!周りの奴らもあんな奴のどこに惹かれるんだあぁッ全部ッ全部瑠璃が手に入らないのも全部ぜんぶッ!!春がいるからだ。

俺は正しい!その俺がこんな目に合うなんて間違ってる。

そうだ、間違ってるんだ!あいつは俺の何もかもを邪魔する俺は偉いんだぞ!それをあいつは!アイツは世界の敵なんだ!そう、言わば魔王なんだよ魔王を殺すのは主人公である俺の役目なんだ!そうさそうだ、善が悪を倒して何が悪い!悪いのは全部、全部全部春なんだ!)


なんともまぁ支離滅裂、前の金沢は此処までではなかったがそれでもまぁ変わらない。

自分の事を主人公だと、善人だと思い込み自分を認めない全てを悪と都合の良いように事を解釈する、そんな事をしても意味がない、いやそれ以上だ、元々のこの性格相まって更に人が離れていき更に周りを悪だと押し付ける、そうなればもう悪循環だ、例え解散したとしてももう遅い、人は誰も信用してくれずそのせいで金沢がまた堕ちていく、その逆も言えるだろう、もう金沢はそうそう皆の居る方へとは戻ってはこれ無いだろう。


(あぁ簡単じゃないか奴がいなくなれば全てうまく行く、それどころか魔王を倒したんだ、賞賛されて然るべき、、、あーでもまておかしい!おかしいだろっなんで俺が否定される、いや本当は皆春に騙されてたんだそうだ俺があんなんより下なんておかしいっ!ありえない!ズルをした、アイツはやっぱり!なら早く討伐しないとなぁ、なぁそう思うだろ?お前達もアハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハャヒャヒャヒャヒャヒャャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ…………

そうと決まればすぐ動こうか、春のことをどうグチャグチャにしてやろうかあぁ〜楽しそうだなぁッ!!殺そう奴をッ春を魔王を!悪魔を害虫は直ぐに、、あぁ早く消してしまいたいよ、お前を殺せるその日が、すごく待ち遠しい)——殺そう」


それは気が付いたらポロリと溢れていた言葉だった。

その事に本人も気付いておらず春の事を無意識に、殺すとそう言ったのだ。

そしてその不意の一言を聞いていた、いや聞いてしまったのだ、瑠衣が。

普段なら気にする事も無い些細な事だが、金沢という人間からたった一人の教室で小さく呟いた殺そう、決して瑠衣には無視して良いようなものには聞こえなかった。



「金沢、なのか?、、、(これまででもアイツのことはあんま良い感じには思わなかったけど、しかも俺の聞き間違いじゃ無いならアイツは小さく殺そうと言っていた。

冗談、には聞こえない、第一金沢に関わった奴の大半が塞ぎ込んでいる、それにアイツのせいで自殺した奴も、、、はぁダメだな一回帰ろう)」



結果瑠衣は金沢がそうゆう事を言っていたとだけ春に伝えるように決めた。








「なんだ急に呼び出して」

「春、急に呼び出したりして悪いな」

「いやいいよ、なんたって瑠衣の呼び出しだからなそれで、どんな用件なんだ?」


「その事なんだけど、今日金沢に会ったんだよ、いや正確には見かけた、だけどまぁそれはいい、それでな?金沢が一人で何かを呟いていたんだ」


瑠衣は春に金沢の事を言うべく今日あった事を話し出した。


「それで?、どうしたんだ要件はなんだ?」


要領の得ない話に何が言いたいんだと問いただすと瑠衣は——やっぱり?—と言うと少し待ってと手で制すと話に戻る。


「あぁそれでだな、金沢の奴が殺そうと、そう言ってたんだ、アイツは良い話聞かないだろ?この前だって教師が一人居なくなっただろ?」


「成程過保護か!お前は、はぁ〜そんな事のために呼ぶなよ、でもまぁ確かになアイツやると決めたらからな」


「あぁ、あとアイツのヘイトは今は春、お前に向いてるぞ?」


人差し指を春に向けて——「これでもまだただ過保護だと言えるか?」と言った。

続けて——「まぁそれでも過保護であって欲しいけどな?」と言うと立ち上がり手を払い——「はい、終了」と言った。


「へぇまぁ確かにな、じゃあこれからは瑠衣にヘイトが言ってくれるように頑張るかな?」

「ハっ冗談じゃ無い流石の春でもそんなのはごめんだぞ?」


「おっ?今更中二病か?」


「戯けッ!事実だろうが!」

「これまでも、か?」


「そんなフラグ建てんな」

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