第2章 2-⑴

 期末テストが始まった。各教科が終わる度に、絢と顔を見合わせて出来たかどうか、ニコッとするのを確認していたが、算数の時だけ、絢は少し曇った顔だった。テストが全部終わった日、絢が家に来るって言ったから、一緒に帰り道を歩いていた。もちろん僕のグループも一緒なんだけど、僕と絢が二人並んで、少し間をあけてみんなが歩いている。その後ろに、又、間をあけて絢のグループがついてきている。絢のグループは、帰り道が反対なんだけど、気になるのか付いて来ていたのだ。

 

 絢が「前よりもスラスラと答え書けたんだけど、算数だけ代数の問題がうまく書けなかったワ」と言ってきた。


「算数の問題はあんまり予習で数できなかったからなぁー」


 僕はそのことが少し気になっていた。絢はその問題に対しては、いつも苦手みたいだった。

 

 もうすぐ、夏休みになる。夏休みの間は、市の図書館で待ち合わせして勉強することにした。あそこは冷房もあるので過ごしやすいかなと思っている。


 絢も「ウン、自転車で行けるしネ」って笑顔だった。

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