想いの中で
はうー
はうー
自分は今とてもねむい
いつまでもこうしてもいられないこともないか
自分は何もしていないし
養ってもらっている
それだけでいいよ
それにしても
窓が開かないなあ
どれっ。開けてみるか。天気も良いし。
うわっ
何か入ってきた!?
何だろう
それは黒色の丸い生き物達だった。
それらが一つに纏まった
するととある人物姿へなった
わ!めっちゃかっこいいやん、、
そこには少年なんだろうけど長身で一見して大人、妖艶な黒髪に赤い目が綺麗な美少年が現れた。
何でだろう
何で、僕は今、こういう体験をしているのだろう
少年は僕を見つめると、僕の部屋の中を色々探った。
色々と。結構いろんなところを探っている。
僕は恐る恐る、話しかけてみた。
「ねえ、何を探しているの?」
すると少年は答えた
「君の記憶だ。」
「えっ」
僕の記憶?
「もしかして今ぼくって、夢を見ているのかな。」
「いや違う。ここは現実の世界なんだが、君が朦朧としているんだ。」
「僕が」
「そうだ。分かるか。自分が今、どういう感覚にあるのか。」
「うーん。普通道理じゃないの」
「やはりわからないか。あのな、お前は取り憑かれている。」
「えっ。取り憑かれて」
「そうだよ。幽霊にだよ。しかも悪い幽霊にな。」
「そんな。そう言われても実感湧かないよ。」
「そうだろうな。そうなものだよ。俺は今な、君の部屋で君の思い出となるものを探している。」
「僕の部屋で、僕の思い出になるもの?」
「あぁ。そうだよ。例えば、これなんてどうだ。」
彼は何かを僕に投げた。
それをキャッチした
それは、ぬいぐるみだった
愛おしい、鳥のぬいぐるみ。
僕はこれを大きくなっても離さなかった。
「何でそこ、過去形なんだよ。離していないんだぜ。いまでも。」
「うん。確かに。今でも離してない。僕はこれが好き。この温もりが。だって癒しだもん。」
「そうだよな。それをな、君はどこかで失ったんだ。」
「失った?失った。どこでだろう。そういえば、前にこれをどこかで落とした様な気がする。何か、水の捨て場みたいなところに。」
「そうだろう。それが君が君のことを思い出すキーだ。」
「キーって、重要なことなのか。うん。これは思い出したよ。」
「じゃあ、あとはこれとか。」
彼はまた何かを投げた
それは、卵だった。
何で卵だろう
「それはな、お前が愛していた物だぞ。」
「なるほど。あぁそうか。この卵は、僕が小さい頃から持っていた作り物の硬い物だよ。」
「そうだよ。それも君の宝物だ。」
「うん。思い出してきたよ。そして、この世界は、僕の見ていた何かだね。」
「おー、良く思い出したじゃないか。そうだよ。君の記憶が世界に反映されているんだ。」
「なるほど。じゃあ僕は、目覚めなくては。」
「ほう。できるか」
「うん。できるよ。さて。僕の記憶達よ。僕の中へ戻りなさい。」
すると目に見えていた記憶達は僕の中に戻った
「よくやったじゃないか。それでいいんだ。」
「うん。僕は僕を思い出してきたよ。」
すると景色が元のいつも通りの日常に戻った
「うんそう。こういう風景が我が家だったんだ。」
「そうだよ。ここが君の暮らす場所だ。ようし。大分悪霊が取れてきたみたいだな。君の気力で悪霊が追い払われているぞ。」
「思い出せなかったな。ずっと、ここにいようと思ってた。」
「それで良いだろ。ずっとここにいろ。」
「あぁ。ありがとう。少年。」
「俺はスバルと言うんだ。宜しくな。よし。お祓い完了だ。」
「スバルかあ。宜しくね。スバル。」
「うん。じゃあまたなー。」
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