座りたくないソファー

桜川椿

第1話

リビングに置くちょうどいいサイズのソファーを買うために母と姉と私の3人で某有名家具店にソファーを見に来た・・・。




「なかなかいいサイズがみつからんなぁ・・・」


「ほんまやなお母さん・・・」


「おっ!このソファーええんちゃう?サイズもええし、色もええし値段もええし、これでええんちゃうか?」と母は1つのグリーン色のソファーを勧めてきた。




うん、たしかにサイズもちょうど求めてたサイズだ。色もグリーンでこれも問題ない。だが・・・。



私はそのソファーを見た瞬間から、なぜか近づきたくない・・・。

ソファーなのに、このソファーに座りたくないと言うわけのわからない感情になった・・・。



そして私は隣にいた私の双子一卵性の姉の深月みづきに聞いた。



「なぁ深月・・・このソファーおかしいやんな?」


「うん。葉月はづき・・・まず座りたくないって思う時点でおかしいやろ?」


「やんな?お母さんなんか変やんなさっきから・・・」


「そうやな・・・このソファー買う気でおるみたいやしな・・・お母さん止めなアカンな」


私達双子は少し霊感があった。

と言っても、はっきりと霊が見えるわけではなく

そこにいるとわかったり、声が聞こえたりと言うほんの少しだけの霊感を二人とも持っていた。



「あのお母さん・・・このソファーにめっちゃ座りたくないねんけど・・・お母さんこのソファーなんかおかしいって!」


「なにがおかしいんや?これに決めようや!」



母は私達の話をちゃんと聞いてくれなくて結局この気味悪いソファーを購入する事になった・・・。



母はあの気味悪いソファーに魅入られてしまったんじゃないかと私達双子は思っていた・・・。



だって私達の母も霊感があるからだ・・・。

見える時もあると聞いたから私達双子より霊感は強いと思う・・・。

その母があの状態に・・・ソファーが家に来たら一体どんな事が起きるのだろうか?


私達双子は不安でたまらなかった・・・。

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